マンガ大好きジョヴァンナです。
最近「エグイもの見たさ」を煽る電子コミックの広告が流行ってますよね。見たことありますか? こういうやつ。
私はまとめサイト大好きなので、しょっちゅう表示されてます。
ちょっと前には『善悪の屑』っていう「復讐代行業」を題材にしたリベンジものの広告がしょっちゅう表示されてました。ネタバレサイトを見る限りでは、復讐方法があまりにも凄惨でグロ趣味のように思い「これは読むのやめとこー」って思った。
続編の『外道の歌』も二番煎じなんでしょ?って最初は思いましたが、いろんなバージョンの広告を見るうちに興味が湧いたので買って読んでみました。
2巻まで読んだ感想です。
【ネタバレ】ありますのでご注意ください。
(1) 鴨ノ目さんの過去の話
「本当の絶望を感じると、人はどうなるか…」というモノローグがリアルでした。
私も、(次元が違うけど)精神的ショックから卒倒しそうになったことがあり、その際に鴨ノ目さんと同じように感じたことがあります。
鴨ノ目さんは妻子を殺され、犯人に復讐するんですが…その方法はナイフでグサっと刺すだけ。前作までのような陰惨さはありません。
たぶん、この作品は単にグロ趣味なだけじゃないんだなってことを感じました。結局、復讐は虚しい…ってことを暗に言っている気がします。
(2) 同業者と遭遇した話
以前に鴨ノ目さんらが復讐代行した男からの依頼で、同業者がやって来ます。敵役の同業の女がクールビューティーでカッコいいキャラクターでした。
鴨ノ目さんの相棒は同業者とのバトルでボコボコにやられますが、結局引き分けになり同業者らは引き上げていきました。
「理不尽な逆恨みによる復讐依頼はお引き受けできません!」と女が、依頼人に電話してました。
変な話、このエピソードでは復讐の「倫理」を語っているみたいです。
(3) ママ友殺人事件の話
このマンガは、ところどころ実際にあった事件にヒントを得て制作されているようです。似た話を、以前にニュースで聞いたことがあります。ただ、実在の事件をそのまま描くのがこの作品の目的ではないと思う。
この犯人も自己顕示欲の化け物みたい、こういう人実際にいそう!って思うんだけど…。
作者は、別に犯人の動機とかどうでもいいんだと思う。理由があろうがなかろうが、遺族にとっては関係ない。どうでもいい理不尽な理由で家族を奪われたとき。やり場のない怒りや悲しみをどうしたらいいのか?という問いを、作者は追求したいんじゃないかと思います。
このエピソードで、子どもを失った母親は言います。
「復讐は何も生まないなんて、わかってるんだよ。わかってるけど、絶対に許せない。だったら私は、どうしたらいいの?」
(引用でなく、まとめなのでセリフはちょっと整理しました。)
この叫びに対する鴨ノ目さんの答えが、凄い。作者はこれを書きたかったんだろうと思いました。
(4) サイコパスの話
15~17話までは、鴨ノ目さんらが一切出てこないまま2巻が終わりました。
サイコパスの青年VSストーカー男の対決。どっちもどっちでキモイ!
ラブレターに陰毛入れるシーン。ぞっとしました。
まとめ
リベンジものなのに、復讐の虚しさを匂わせるって難しいマンガだなーと思います。
人の悲しみ、怒りとか、「復讐したい」という負の感情を作者は肯定しているんだよね。だから、代わりに復讐してあげるよっていうお話です。
まだ巻が少ないので今後どのように展開するか未知数ですが、しばらくウォッチしたいと思います。
どうしても許せないとき、どうするか?
答えの出ない問いだと思うから…。
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他に広告で気になった作品
悪趣味だとは思うけど、やっぱときどき気になるものがあります。絵柄のクオリティが高ければ、なおさら。
このへんはエロチックサスペンス×エグいもの見たさを加えた感じかな。
電子コミックの広告を見てると、とにかくエロといやーな気持になるやつ(女性の美醜に関わるもの、幼児虐待、性虐待とか)が多いんで、人間の本能を揺さぶる系はやっぱり強いんだろうなと思います。
読んだ方いたら、ぜひ感想教えてください!