なにか新しいこと日記

都内で働く30代キャリアウーマンが新しいことにトライしてみた日々の記録。

私を生かしているマンガ『死と彼女とぼく』

マンガ大好きジョヴァンナです。

今日は私を生かしている、ある作品を紹介します!

『死と彼女とぼく』川口まどか著

死と彼女とぼく(1) (Kissコミックス)

《文庫版全5巻》講談社刊

【目次】

 

あらすじ紹介

幽霊が見える少女と幽霊の声が聞こえる少年のお話です。

ゆかりちゃんと松実君。

クラスメートからは気味悪がられ、異端扱いされて理解されることのなかった二人は孤独のままそれぞれ成長し、高校生のある日出会います。

 運命の恋に落ちる二人。

 お互いにしか理解されないものを抱えているからこそ、分かちがたく魂で結びつくような関係です。

 

 二人には死んだ人が見えるし、話しかけてくる。邪悪な企みを持つ死者に時に惑わされたり、とり殺されそうになったりもします。死者の個人的な事情に巻き込まれる度、二人で何とか対処して事件を解決する連作のシリーズマンガです。

 

この作品に特徴的なのは「幽霊退治」が目的ではないこと。これはそういうマンガじゃない。悪い霊を追い払ったりはするけれど、闘ってやっつけてやろうなんて二人は思っていません。その人(死者)が心残りを片づけて優しい気持ちを取り戻せるまで、そばにいて待つ。あるいは叱って気づかせる、というのが基本的な姿勢です。

 

私の心に刺さった理由

私が二人と出会ったのは、小学3年生位だったかな…。

当初は毎月の連載ではなかったと思います。『サスペンス&ホラー』に時折掲載されるのを楽しみに読んでいて、書店で見つけると、ああ、また会えた…という嬉しさを子ども心に感じていました。

 当時、私も孤独でした。

ゆかりちゃんと同じように転校が多くて…。友だちができるのに時間がかかる性格だから、転校ばっかりの生活はつらかった。いじめられたこともあります。

 

私はゆかりちゃんみたいな可愛げはなく美人でもないけど、いつか松実君のような運命の恋人に会えるかなって…マンガを読んで夢想してました。「恋人が欲しい」というより、理解して寄り添ってくれる人が欲しかった。そういう人が私には誰一人としていなかったから。

二人の心が通い合う様子が孤独な私の慰めでした。

 

ホラーマンガを描き続ける作者のメッセージ

それから、ゆかりちゃんの目にした悲惨な光景が頭から離れなかった。

自ら死を選んだ人が、自分が死んだことに気づかずに何度も死の場面をくり返す。何度も、何度も…。1巻第1話の中でたったの10コマで描かれる短いシーンですが、子ども心に焼きついて離れませんでした。

このマンガの記憶があったから、私はこれまで死を選ぶことなく生きて来られたのだと思う。

 

川口先生は長いシリーズを通して、ずっと、悔いを残した死者が現世にとどまってもがき苦しむ姿を描き続けています。

じーっと硬くなって石のように小さく固まってしまう死者もいれば、生きている人の足をひっぱろうとして悪霊になる者もいる。愛する人に心残りや伝えたいことがあって、それを伝えたら満足して天国へ旅立つ人も…。

 

死んでしまったら取り返しはつかないのだから、どうか命ある限り頑張って生きぬいて欲しいというのが、きっと川口先生から読者に向けたメッセージではないかと思います。

 

まだインターネットも常時接続でなかった10代に…このマンガが私の灯台でした。ホラー好きには自信を持っておすすめできる感動の名作です。未読の方は、ぜひKindleで読んでみてください。(単行本2冊分がひとつのKindleで読めます。)

 

 川口先生、素敵な作品をたくさん描いてくださってありがとう! これからもずっと読み続けます。