7月某日。ちょっとした出来心で吉祥寺の駅に降りたちました。
太宰治が入水したとされるポイントが井の頭公園の西側にあり、そこに記念碑のようなものがあると知って、一度行ってみたかったのです。
ここで地図を見れば、吉祥寺から行くよりも三鷹駅の方から行った方が近いのは一目瞭然。しかし私はスマホで狭域の地図ばかり見ていて、そうとは知らずに吉祥寺の駅から井の頭公園を経由するルートで行ってしまいました。
玉鹿石(ぎょっかせき)
目印になっているのは「玉鹿石」と呼ばれる特殊な石です。
遠かった……。しかも炎天下。熱中症にならないように水分を取りながら、休み休み行きました。
井の頭公園は私が好きなマンガの中でも度々舞台となっている場所でもあります。今度、もうちょっと涼しい季節に訪れて「聖地巡礼」したいと思っている。今回はさっさと歩いて通り過ぎました。
公園の西から川沿いを歩いて「むらさき橋」を渡りました。記念碑は玉川上水の南側にあります。
太宰の故郷である青森県の金木町から運んだ貴重な石だそうです。特にキラキラしているとかそんなこともなく、ゴツゴツした岩のような感じ。しかも設置されたのが1996年。意外と新しかった……。
マンションの前の植え込みの中にポツンとあって、なんだか場違いな感じです。このへんで生活している人は、これがなにを意味するモニュメントか知らない人もいるんじゃないかな。
玉川上水も近寄ってのぞいてみましたが、草が生い茂っていて水面は見えませんでした。なんとなく水が流れている気配は伝わってきたけど浅そうだった。知り合いの牛のおじさんが「最近は水位が下がってしまって自殺には向かないのね」とコメントしていた通り。
太宰碑のある公園
この現場からもう少し三鷹駅に近いところに小さな公園があって、そこには太宰の作品の引用を載せた碑文がありました。
要は「ここが入水ポイントです」なんていうロコツな説明文を公道に掲げるわけにもいかないから、さりげなく石だけを置いて近所に公園を作りましたってところかな。木が植えられていて、ちょっと立ち止まって休憩できるだけのほんの小さな公園でした。
こうして、あっけなく散歩は終わりました。帰りは三鷹駅まで歩いで6〜7分といったところでした。
ついでに立ち寄った書店
この日はとにかく暑くて、古本屋めぐりをする気分にもなれず吉祥寺の駅周辺で買い物だけしました。(三鷹から吉祥寺まで電車で戻りました。)
ロフトの5階にヴィレッジヴァンガードの姉妹店「ニュースタイル」というのがあって、そこで衝撃的なものを目にしました。
この頃集めている楳図かずおパーフェクションが、なんと新刊で売ってる……。(『漂流教室』などは、ちょっと前にまんだらけで買ったばかり。)それだったら中古で高いのを買う必要なかったじゃんか……!
というわけで『赤んぼ少女』を入手して帰りました。
噂では楳図先生の「まことちゃんハウス」は、吉祥寺にあるそう。余力があれば探しに行きたかったけどこの猛暑下ではとてもそんな気力がありませんでした。また行こう、吉祥寺。