なにか新しいこと日記

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台湾で占いに行ったら10年の片想いが終わった話

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数年前。私が専門職に転身してある個人企業に就職したばかりの頃、社用で台湾出張に行くことになりました。30~40代の女ばかり3人の旅です。

登場人物

  • 吉田先輩(仮名):42歳。英語、日本語、中国語が流暢に話せるスーパーキャリアウーマン。台湾で働いた経験があり、現地に友人も多い。
  • 二谷先輩(仮名):41歳。中国語を勉強中。吉田先輩の1年後輩。韓流大好きで、ミーハーな性格。
  • :31歳。中国語は全くわからず、ニーハオ、シェイシェイ、ハオツーだけで乗り切る。対人面では慎重な性格。

いきなり行天宮へ

初日は移動だけの日、高速鉄道に乗る前のすきま時間に二谷先輩たっての願いで行天宮の占い横丁へ行き、占いをしてもらうことになりました。

私は特に訊きたいこともなく野次馬根性でついて行って、先輩のついでに占ってもらおう!というノリです。

 

二谷先輩のチョイスで3人共四柱推命の蒋老師に占ってもらいました。日本語が話せる通訳の人がついていて、料金は確か5000円くらいだったと記憶しています。

 

蒋老師:ここに自分の生年月日と、恋人の生年月日を書いてください。

:恋人は、いません。

蒋老師:だったら好きな人でいいよ。

:好きな人?

 

好きな人と言えば当時10年近く好きだった人がいて、キッパリ振られてるのでどうもこうもないんですが、家庭の事情や資格取得に忙しく、新しい恋を始める気にもなれないままなんとなーく引きずっていたので、その人の生年月日を書きました。

初めての四柱推命、私の運勢

蒋老師 占い

蒋老師:あなたは丁寧、考え過ぎ、優柔不断な性格です。

:優柔不断!?

蒋老師:男性と縁はあります。だけど理想が高くて、行動力がない。

:そうですか。行動力ないか……。

蒋老師:この男性とは、縁ない。

:縁ない!

 

ガーンという感じでした。

今思い出すとプッて笑っちゃうんだけど、「彼とは縁がない、次行ってください」と言われ、本当にショックでした。

私は21のときの恋を一体いつまで引きずるつもりだったのか。

あの時、蒋老師に未練を断ち切ってもらって良かったと思います。でなければ、さらに何年も引きずってたかも。

 

ともあれ、台湾1日目で思いがけずどんより気分が暗くなってしまいました。

 

その後いつ結婚できるとか、健康運、仕事運はどうで、何歳で独立できるかなど……。運勢を占ったのを通訳の人がメモ書きしてくれました。

だけど、この時占ってもらった結果に私は半信半疑でした。自分では決断力ある方だと思っていたし、行動力も……。今考えると、恋愛では行動力ない方だとわかるけど、当時はよく自分のことがわかってなかった。

 

同じく独身の吉田先輩は、「男性とあまり縁がない。仕事に生きるタイプ。理想が高いから少し目をつぶれば結婚できるけど……」なんて言われて、図星をさされたみたい。本人、大ウケしてました。

深杭にて

この後、ちょっと不思議な出会いがあります。 

2日ほど社用で台中に滞在した後、我々はまた台北に戻ってきました。二谷先輩の発案で『千と千尋の神隠し』のモデルになったとかなっていないとかで有名な観光地・九份に行きたい!ということになり、吉田先輩の友だちに車で案内してもらうことに。午前中は九份を観光して、午後は深杭というところに立ち寄りました。

 

深杭では、山の中の商店街を訪れました。臭豆腐の店で、吉田先輩の友だちを含め4人で臭豆腐を食べたのを覚えています。二谷先輩は茶屋で聞き茶したりして、キャッキャウフフしてました。

我々は土産物を見ながら通りをぶらつき、仏具店の前を通りかかりました。

深杭・天韻坊

 台湾は仏教が盛んで、商店街に1軒は仏像や仏具を扱うお店があります。

そういうお店には、かっさやツボ押し器、漢方系の軟膏薬といった治療の道具も置いてあり独特の雰囲気です。吉田先輩はエステやかっさなどに関心があり、私も先輩にくっついて、かっさの道具を見ていました。すると、お店のおじさんが話しかけてきました。

 

吉田先輩:「かっさやりたいですか?」と言ってます。

(中国語で会話が始まる。)

おじさんが吉田先輩を椅子に座らせて、首筋をかっさでマッサージし始めました。

:私も次、やってください! 

私の番になると、おじさんは「この人(=吉田先輩のこと)ものすごく凝ってると思ったけど、あなた(=私)の方が凝ってるね」と言ったそうです。かっさでゴリゴリ擦られてメンタームのようなスースーする軟膏を塗られ、それだけは足りなかったのかカッピングまで出てきました。(実際の写真、こんな感じです。)

カッピング

おじさんの言葉は吉田先輩が逐次通訳してくれました。

 

吉田先輩:「いつ結婚できるか、知りたいですか?」だって。

:えーっ!?

女ばかりの一同、色めきたちます。

吉田:知りたいです。

:知りたーい!

二谷:私も知りたい!

 

すると、おじさんが二谷先輩に向かって何か言いました。

吉田:「あなたは結婚してるから、必要ないでしょう」って。

 

一同:えーっ!? なんでわかるの?

 

実は二谷先輩だけが既婚者。でも結婚指輪もしてないし、服装もスウェットにジャージのパンツと至ってスポーティーな服装で、奥様らしきところはありません。なぜ3人の中で二谷先輩だけが既婚者と見抜いたのか。

我々はどよめき、順番に占ってもらいました。

 

初日の占いの「答え合わせ」をする

この結果が各々初日に言われたことと一致していて、単なる常識的なアドバイスに留まる内容もあれば、それ以上に的を得た部分もあり驚きました。

失礼ながら、蒋老師の言っていたこと、本当だったんだー!と思いました。

 

私はおじさんに、「あなたは心臓が弱いから時々ゴリラのように胸を叩きなさい」とアドバイスされました。(これって導引気功療法なのかな? 民間療法的なやつだと思われる。)

船に乗ったり川の近くに行ったりはしない方がいいと。これは初めて言われました。どうやら、水難の相があるらしい。

 

このときに、私は弟のことを話して「実はこういう事情があって結婚は難しいんじゃないかと思ってる。それでも結婚できますか?」と聞いてみました。

 

おじさんは真剣な顔して、「そういうことを理解してくれる人と結婚しなさい。あなたは何年か前に、向こうから来た縁談を自分から断っているはず。今度近づいてきた人は断らずに、その人と結婚しなさい。次来た人と結婚しなさい」と重ねて言いました。

 

男性の方から近づいてきて私が断るなんて、それらしいことがそのときは思い当たらなかったんだけど……後になってから思い出しました。

前の年の夏に前職のボスが、近所に住む獣医を紹介すると言い出したとき私は気乗りがしなくて「うん」と言わなかったこと。もしかして、そのこと!?(当時すでに上京する計画があり、地元での縁談には腰が引けてました。)

 

このおじさんは本物だったと思います。

しかも占い師としてお金を取ってやってるんじゃなく、普段は仏像を制作しており出来上がったものをお店で売るのが正業のようでした。

おじさんの占いがあまりにもおもしろかったんで、無料じゃ申し訳ないと思い、少額ですが、かっさや小物を買って帰りました。

 

後日譚

今ふり返ってみれば、片想いを10年も引きずったのは黒歴史でしかなかったと思う。

 

自分も若かったし相手が素敵な人だったから、美しい思い出のように勘違いしてたけど……あれが恋だったかどうかも、今となっては疑問です。単なる虚しいひとり相撲じゃないか!

だけど、10年間恋愛だけしてたわけでもないし、その他の活動に忙しかったことについて今さらどうしようもない。後悔もしていません。ただそういう時期だったんだなーと思う。

 

帰国してからせっせと活動して、彼氏を見つけました。2人と付き合って、未だプロポーズはされていません。この話にオチはない。

皆様におもしろがって読んでもらえれば私のこの恋も、成仏できます。

ご静読ありがとうございました。

 

この記事を書いたのはこんな人です。 

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