なにか新しいこと日記

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『ダ・ヴィンチ』のBOOK OF THE YEAR2018を手に取ってみる《前編》

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10〜20代前半まで、熱心に読んでいた本の情報誌『ダ・ヴィンチ』を久しぶりに購入しました。ここしばらく小説を読む機会が極端に減っており、知らない作家・新しい作家に手を出すこともしてきませんでした。
気が変わったのは漫画家・山下和美先生のコミックエッセイにこんなセリフがあったから。

「同じシリーズを長くやっていると、同じレベルでやっているつもりでも、何となーく古ぼけて来るんだよ。今まで以上に努力しないと駄目なんだ。山下さん時間がないから本読めとは言わないけど、100本映画観ないと、俺山下さんと次の打ち合わせしないから」

数寄です! 3 (愛蔵版コミックス)より抜粋。山下和美・著、2013年、集英社刊行

この編集者の言葉には頭をガツンとやられました。
そうそう……年をとると柔軟性を失って、新しいものや考え方を受け付けられなくなってしまう人もいる。自分だってその傾向がなきにしもあらず。仕事もマンネリに陥って、新しい手法を学ぶ意欲を失っているんじゃないか……。

それじゃいかん、勉強したいし、映画も観たい。新しいものを読みたいと思い、試しに、年末恒例の『ダ・ヴィンチ』BOOK OF THE YEAR特集号を手に取ってみました。今年はこの中から自分が興味を感じたものをいくつかピックアップして、読んでみます。

なお、このランキングは2017年10月1日~2018年9月30日まで刊行された書籍の中から、読者投票で選ばれています。(読書メーター、全国の書店員、ネットリサーチ会員からの回答を含め、有効回答数4275通。複数回答での投票にて。)

ダ・ヴィンチ 2019年1月号 [雑誌]

ダ・ヴィンチ 2019年1月号 [雑誌]

 

[目次]

小説ランキング トップ50より、読みたい作家を選ぶ

トップ3までに選ばれた作品には全く興味を引かれるものはなかった。ご、ごめんなさい……。(ちなみに2018年は池井戸潤、島本理生、湊かなえでした。)
この際一度でも読んだことのある作家は除外して、読んだことがない人の中から自由にピックアップしてみました。

5位 瀬尾まいこ

そして、バトンは渡された

そして、バトンは渡された

 

「17年間で家族の形態が7回も変わった」のあらすじに興味を引かれました。

瀬尾まいこは読んだことないけど、読後感がよく安心して読める作家という印象があります。それでいながら予定調和を裏切ってなにかしら新しいところがあるのが文学だと思うし、そうであってほしいよね。

11位 原田マハ

たゆたえども沈まず

たゆたえども沈まず

 

糸杉の表紙が美しい。日本人の美術商がパリでゴッホと出会う話だそうです。おそらく、事実をからめながらのフィクション形式ではないかと思います。

作者は他にもこの時代の画家を題材にした作品を多く上梓しているようです。「マハ」を名乗るぐらいだから、根っからアート好きの作家なのでしょう。おもしろそう。

19位 若竹千佐子

おらおらでひとりいぐも 第158回芥川賞受賞

おらおらでひとりいぐも 第158回芥川賞受賞

 

東北弁のタイトルに「ひっかかり」を感じました。63歳の新人が書いたデビュー作だそうです。それだけ年を重ねてから教室に通って、小説を書こうと志したのには、よほど書きたい題材があったからなんだろうと思う。
同じ号のp219に、インタビューと著者近影が載っていました。

50位 花田菜々子

出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと

出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと

 

彼が買って棚に差していた本です。

「出会い系サイト」と言っても恋愛やセックスを目的としたサイトではなく、初めから本をすすめる目的でお互い合意の上コンタクトしているそうです。実録エッセイだとばかり思っていたけど、小説に分類されているということはどこかしら創作を含んでいるのかな。

コミックランキング トップ50より、読みたいマンガを選ぶ

このコミックランキングには首を傾げざるをえない。『名探偵コナン』『ONE PIECE』『キングダム』……。順位が入れ替わるだけで毎年メンツはおなじじゃない? 一度でもランクインしたものは「殿堂入り」にして、毎年新しいものを紹介した方が情報価値が高いと思うんだけど……。毎年これで通しているのは読者がよしとしているってことなんでしょう。

2位 大家さんと僕

大家さんと僕

大家さんと僕

 

「タレントが描いた本だから売れている」ということもあるだろうけど、 手塚治虫文化賞短編賞を受賞しているのは見逃せません。なぜってこの賞は本当におもしろい・価値ある作品が選ばれていると思うから。

38位 お互い40代婚

お互い40代婚 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)

お互い40代婚 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)

 

彼氏がたかぎなおこ先生のファンで、
「たかぎ先生ってすてきな人なのに男性の気配が全然ないよね〜」
「それなのに突然結婚して本出したんだよ」
「え〜〜そうなの? それ、読みたい!」という会話から目をつけていた本。すでに注文済み。

42位 メタモルフォーゼの縁側

メタモルフォーゼの縁側(1) (カドカワデジタルコミックス)

メタモルフォーゼの縁側(1) (カドカワデジタルコミックス)

 
メタモルフォーゼの縁側(2) (単行本コミックス)

メタモルフォーゼの縁側(2) (単行本コミックス)

 

この頃若年層が読む漫画の題材にはあまり関心が持てず、中高年を主人公とする作品につい目が行ってしまいます。ジャケットの水彩っぽい淡い色彩がいい。

50位 プリンセスメゾン

プリンセスメゾン (1) (ビッグコミックス)

プリンセスメゾン (1) (ビッグコミックス)

 

「女性が一人でマンションを買う」というテーマが身近に感じます。年収250万円という設定も絶妙。1〜2巻はすでに読んでいて、続きが気になっていたところ。NHKでドラマ化した人は森川葵という女優が主人公を演じたそうです。

その他のランキングより

文庫ランキングからはウドウロク (新潮文庫)

エッセイ・ノンフィクションからは一発屋芸人列伝

絵本ランキング1位のおしっこちょっぴりもれたろうも題名が気になるけど、そう言えば同じ著者・ヨシタケシンスケさんの絵本で「視覚」を題材にしたみえるとか みえないとかが気になっていたことを思い出しました。これも合わせて読んでみよう。この絵本のもとになった目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)も読みたいのでした。ここまでが読者投票から集計されたランキングです。

本読みのプロが選ぶ、「とっておき」の今年の3冊より

このコーナーはプロの書評家が選んだジャンル別のベスト3。選び方が偏っていておもしろいです。私が気になったものを列記します。

異形のものたち

噴煙姉妹

彼女は頭が悪いから

ユニクロ潜入一年

2019年の隠し球はコレだ! 

2019年刊行予定のオールジャンルの中から、各出版社がおすすめの3冊を紹介するコーナー。

これを見てると、ミステリーとか刑事物って人気あるんだなーと思う。たぶん、一定の層の人がむさぼり読むんでしょうね。

私が読みたいと思ったのは、光文社から2019年6月刊行予定の『廓に噺せば』
横浜の色町に生まれた落語家・故桂歌丸の伝記小説で、直弟子の桂歌蔵が書いたというからおもしろそう。

これらをどう読むか、今後の予定

ハードカバーはとりあえず図書館で予約しました。100人以上待ってたりするものもあって、私の手元に届くのは半年先でしょうか。瀬尾まいこ、原田マハは過去の作品を図書館で借りて、そちらを先に読んでみることにします。
マンガはマンガ喫茶にあるだろうから、行って読んでこよう。他に読みたいものも溜まっているし。
文庫や新書は入手しやすいので自分で買って読んでみる!

 

ただでさえいろいろ積んでいるので、新しいものを読めるのは週に1〜2冊とかそんなものかな。ある程度読了した時点で、後編の記事にあげようと思います。

あとは、文庫の新刊をこまめにチェックして興味を感じたものはサクッと買ってみるのがいいかもしれない。「余計なものを増やしちゃいけない」と思うから、「おもしろい」とわかっている鉄板本以外は買わないようにしていたんだけど、それが新しいものを遠ざける一因にもなっているんですよね。kindleを活用するのもいいでしょう。

2019年は全体的にインプットを増やすよう、心がけます。