浮世絵の展覧会『江戸の女装と男装』を見に行く

ジョヴァンナです。こんにちは!

気になる美術展の情報を見つけました。当日が最終日、仕事の合間に駆け込んでなんとか間に合いました。

www.cinra.net

ちょうどそのとき読んでいた本に江戸時代の女装・男装の芸能のことが書いてあって、これは行くしかない!と思った。 

いざ、原宿・太田記念美術館へ

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原宿駅表参道口を降りて5分。神宮前交差点の手前の路地を入ってすぐの場所にあります。目印に道標が立っているのでわかりやすい。

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美術館としてはこじんまりしたところですが、二階は階段を囲むようにぐるりと展示スペースがあって、予想以上に多くの浮世絵が展示されています。700円でこんなに見せちゃっていいの?と思うぐらい。

太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art

 

太田記念美術館は、かつて東邦生命相互保険会社の社長を務めた太田清蔵という人物が、生涯をかけて収集した12000点もの浮世絵を展示するために設立されたそうです。東邦生命って今どうなってるんだろう?と疑問に思って調べてみたら、1999年に経営破綻し保険契約は外資系企業に引き継がれたとのこと。

おお、コレクションが散逸しなくてよかった……!

展覧会『江戸の女装と男装』の概要

1階に展示されていたのは比較的大きな作品たち。吉原俄(にわか)と言って吉原の芸者が男装して狂言を披露したり、舞うのは名物だったらしい。神田祭でも男装の芸者が踊っている姿がスペクタクル図として描かれていました。

 

2階にはヤマトタケル(小碓の皇子)、牛若丸を始め、神話や伝説の中で女装して闘った英雄や歌舞伎役者の姿をクローズアップした作品。あるいは、有名な演目でもわざと男女の設定を入れ替えて演じる趣向や、「見立て」や「やつし」と言って、古典や伝説などに題材を取りながら、時代を超越して当世風の人物や舞台に描いた絵を展示していました。

日本の文化史上、性別を入れ替えて役割を演じるのは、神話に登場するぐらい大昔から親しまれてきた表現手法の一つなんですよね。

異性装を性的志向と切り離して理解する土壌が国民的にある(と思う。) 

月岡芳年から受けた衝撃

ところで、私はこの日初めて月岡芳年(つきおか・よしとし)をじっくり鑑賞する機会を得ました。芳年は、幕末から明治にかけて活躍した絵師です。会場に4点ほど展示され、他の絵師とは異質な個性を感じました。

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-賊巣の月 小碓の皇子-『月岡芳年 月百姿』青幻舎(2017年)p67より

特徴

  • ターコイズのような明るい水色が目立つ。
  • 青みのピンクを差し色によく使っている。
  • 美人画もあるが、多くの人物の容貌が江戸時代の様式美と一風異なる。
  • 構図がマンガ的。大げさに言うと荒木飛呂彦先生ぐらい際立った個性がある。 

「これは私、ものすごく好きだな~」と思って、行ったり来たりして何度も見ました。他の絵師が使わないような明るい色を多用しているのは、時代が下るにつれ新しい顔料が出てきたってことなんだろうか。当時の技術的側面についてもちょっと調べてみたいところである。

太田記念美術館では芳年を大量に所蔵しており、何度も単独の展覧会を開いているようです。過去の展覧会の図録を1冊買って帰りました。

月岡芳年 月百姿

月岡芳年 月百姿

 

これは最晩年「月」と歴史上・物語上の人物や英雄を描いたシリーズ作品です。(今回はここから4点展示されていました。「13:水木辰の助、47:小碓皇子、48:長谷部信連、51:五條橋の月」)

多色刷りの美しい浮世絵が100点もあって、太田翁はよく集めたものだと思う。生前はあまり人に見せたりはしなかったと言いますから、大切に保管して時々出しては眺めるといった楽しみ方だったのでしょうか。

浮世絵の愉しみ

浮世絵を楽しむ文化が、後々のマンガ文化へとつながっているのだと思います。春画などはポルノとして、また性教育の教材としても使われたらしい。高尚なアートではなく、あくまで庶民の娯楽だったんですよね。ちょうど今のマンガの果たす役割とおなじく。

1860年代に『北斎漫画』が陶器を包む包み紙としてフランスに渡り、印象派に影響を与えたというエピソードは有名です。私の好きなミュシャは、シルクスクリーンのポスターを多く残していますが、これもマンガちっくで浮世絵の影響を受けているのかな〜と感じる。

昔から浮世絵には興味があったけど、職場から近いエリアに専門の美術館があったとは。しかも入館料が安い! 今後何度も足を運ぶお気に入りのスポットになりそうです。

太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art