なにか新しいこと日記

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四次元アイ主催・田口ランディ独演会【2018年2月25日】に行ってきました

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ジョヴァンナです。こんにちは!

作家・田口ランディ氏の講演会に参加してきました。

この企画、私が問い合わせした時にはすでに満席だったのですが、直前になって空席が出たとのツイートを見て即座に申し込みました。

 

四次元アイ 公式情報:田口ランディ独演会2018年2月25日

 

これが、めちゃめちゃおもしろかったです!

場所はサンプラザ中野の7階研修室。

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初めてお会いするランディさんは小柄でパワフルな方でした。「写真OK」と言ってくださったので、何枚か写真も撮らせていただきました。

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ランディさんはエッセイの語り口そのままに、ざっくばらんにユーモラスにお話されていました。息を呑むような話も数多くあったし、話し方にも緩急あってグイグイ引き込まれました。有料の講演会だけに変な冷やかしもなく、会場は終始ホットな空気でした。それもとても良かった。

 

事前の告知によれば4部構成。ランディさんの興が乗ってちょっとずつお話が伸び、最後の仏教の話はカットされて質疑応答で終わりました。それでも『四次元アイ』の告知を見たら「あれ、この話あったっけ?」というのがまだあって驚かされた。本当に引き出しが多くて、お話が尽きないんですよね。

 

オカルトや、一部スピリチュアルな部分もありかと思いきや、ランディさんは「スピリチュアル界」に対してシラーっとしており、要所要所で鋭いツッコミを入れるのが可笑しかった。私も「スピ」な話を熱く語られると「げげっ!」と思う方なので、笑って聞いていました。

今日は5時間のロングトークの中から「ランディさんがいかにして作家として目覚めたか」という話を中心に、私なりにまとめてご紹介します。(記憶違い・解釈違いなどがあり得るので、あくまで参考程度にお読みください。)

独演会の内容を一部、紹介

1995年、意識の変容

阪神淡路大震災があった1995年。ランディさんの仕事場に居候していた兄が、ある日失踪します。父親から手切れ金として100万円を渡され出て行ったそうです。あとでわかったことには、茨城の実家とランディさんの仕事場のちょうど中間地点に部屋を借り、ひきこもったまま一人で亡くなっていました。100万あるなら、沖縄でもどこでも行けば良かったのに……。兄が家族の「中間地点」に縛られていたことにランディさんは大きな衝撃を受けます。

兄の部屋を片付ける際清掃業者が遅刻して、遺体があったところに血が固まったり虫が湧いたりしている惨状をランディさんは一人でつぶさに見てしまいます。(この時たまたま一人だったことで、いわゆる「ゾーン」に入り込んでしまったような詳細な描写をランディさんは語っていました。)そこから「別の意識状態」に切り替わったのを感じたそうです。半年間知覚過敏になってしまい、働くのもいやになりました。広告代理店で仕事バリバリだったのに、急に「うつ」のようになって一人で屋久島に通い長期滞在してはぼーっとしていたそうです。

忙しくしていたときは全く創作意欲が湧かなかったのに、余裕ができたらものが書けるようになった。インターネット前夜・パソコン通信で友だちに宛ててメッセージを書いているうちに、ダイヤモンド社から「屋久島の本を書いてみませんか?」と誘われ、本を出すことになりました。(中略)

1999年、霊能力者との出会い

その後サンマーク出版のスピリチュアル雑誌『エヴァ』編集長の補佐につき、名だたる霊能力者たちと出会います。

神との対話』が世界的ベストセラーになったニール・ドナルドウォルシュが韓国に来たときに取材に行き「あなたは私のことをインチキだと思っているでしょう」と看破されました。「あなたは正しいか・正しくないかという価値判断に囚われ過ぎている。そして、あなたは本質的に人生を怖れている」と指摘され「そんなことはない!」と逆上したランディさんですが、実は自分が怖れていることの自覚がないだけでした。

この年、ランディさんのもとに初めて長編小説の依頼があります。ところが、まだ書いてもいないのに「この本は売れないんじゃないか。売れなかったら意味がない」と内心で強く怖れていました。

この年は、また別の霊能力者から連絡が来て「神様があなたを応援しなさいと言っている。いっしょに出雲大社に行きましょう」と航空券が送られてきます。

霊能力者はお供の人を連れ、タクシーでランディさんをピックアップして出雲大社の裏側の「ある場所」へ行き、祝詞をあげ始める。「神様のゲートが開くから、早くあなたの望みを言いなさい」と急かされ、そこで、急に「いい小説が書けますように」という願いが出てきます。帰りのタクシーの中で霊能力者は「あなたはきっと小説が書ける。ベストセラーになりますよ。帯は村上龍さんがいいですね」と言った。ランディさんは「まさか! 私みたいなぽっと出の新人が村上龍さんだなんて」と思いました。ところが、その言葉は現実になるのです。

その頃龍さんは『共生虫』というひきこもりを題材にした小説を書いており、ひきこもりに詳しい人と対談をしたがっていました。そこにランディさんは呼ばれ、帯を書いてもらえることになった。それで、ランディさんは龍さんの帯でデビューを飾るのです。

 

1999年はおかしな年で霊能力者と次々に出会い、その誰もが言ったそうです。「ランディさん、あなたの中には小さな女の子がいて、ものすごく怖がっている。私が守ってあげるから、その子を外に出してあげなさい」そうして、10歳までの自分を解放して小説に書いたのが『コンセント』でした。

『コンセント』が売れて「また次も売れるものを書かなきゃいけない」というプレッシャーに追いつめられたランディさん。『富士山』という短編集を出版し、河合隼雄先生と対談することになりました。河合先生は「『富士山』はいかがでしたか?」と訊かれ、開口一番「全くダメだね!」(ここでランディさんは「全くダメだね」とホワイトボードに大書きします。)河合先生は当時文化庁長官。「全くダメ」なら会わずに済ませることもできただろうに、わざわざ対談して将来のために一言言ってあげようと思った。それは河合先生の優しさだったとランディさんは話しています。

異次元の体験

「全くダメな自分はどうしたらいいか?」考え「よし、薬物に頼ろう!」と角川に企画を持ち込み、メキシコに飛んでマジックマッシュルーム体験を書いたのが『オラ!メヒコ』でした。ここからの話はやけっぱちのようなユーモアを交えて、会場が沸く沸く。ランディさんは知人の紹介で現地の有名なシャーマンと会い、マジックマッシュルームを利用した薬物療法を受けます。「自分の中にいる神様と出会いたい」というのが目的でした。果たせるかな、20ケものキノコを食べてトリップ。そこでまた知覚が鋭敏になり、人間以外の全てのものが神々しく見えるようになります。外に出て満天の星を見たとき、「時空の扉が開いた」のが見えたそうです。

聞いていて、ただただ圧巻でした!

私の感想

私は『オラ!メヒコ』の文庫が出た当時、購入して途中まで読んだ記憶があります。その時は自分が若かったこともあって「なんのこっちゃ」と全然話が入ってこなかった。それはそういうわけだったのか……と納得しました。この本の時点ではまだランディさん自身体験を消化しきれていなかった。それが今になって人生のターニングポイントとして咀嚼され、生き生きとお話くださいました。

あちこちで断片的に読んでいた話を筋道通して本人の口から直に聞くと、ど迫力でした。

 

第2部のUFOの話。正直どう捉えていいものかわからず期待しないで行ったけれど、これも実におもしろかった。このパートは、『マアジナル』『アルカナシカ』を読んでからもう一度検討してみたい。

 

最後の質疑応答も活発で良かった。私は、仏教の話を訊こうかどうしようか迷っているうちに終わっちゃいました。

ランディさん曰く、人生は「何か目的に向かって進んでいるもの」とみんな思っている。でもそうじゃなくて、自分というのがど真ん中にあって、そこに外部からいろんなものがやって来る。だから受け身で、やってきたものをただ受け取っていけばいいのだと。 

全てがすごい話だな、フーンと思って聞いていました。

そうか、もう、本当に自分が興味ないものは無視して生きようと思った。もっともっと私、わがままになっていいんだ!

 

それから、こんなに豪胆に見えるランディさんでさえ「あなたは何もかもを怖れている」とバッサリやられたんだから、私の中にも怖れはあるわけです。何を怖れているのかも朧にわかってきている。お話を聞きながら、「私が守ってあげる」と言われる場面で思わずウルっときました。

 

作家生活20年でランディさんはあちこち旅をして、これだけの膨大な経験を脳内で消化・整理して作品を書かれています。

ということは、私は20代からの10年を通して拙い小説をいくつか書こうと試みたけれども、今後の人生ではもっと書けるな!と思いました。(これは「小説家になりたい」とか、そんなことではありません。ただ「表現すること」そのものを楽しんでいるだけ。)これからもっとおもしろいものが書けそうだ、そんな気がする。

ワクワクしました!

ランディさんの著書紹介

コンセント

コンセント (幻冬舎文庫)

コンセント (幻冬舎文庫)

 

ひきこもりの兄の死など、作者の実体験を基にしたと思われる場面が多いがフィクションである。累計50万部売れ、この作品以降、田口ランディは職業作家となる。
市川美和子主演で映画も制作、公開された。 

オラ!メヒコ

オラ!メヒコ (角川文庫)

オラ!メヒコ (角川文庫)

 

 メキシコでのマジックマッシュルーム体験を書いた旅行記。同行のガイド・AKIRA氏が半分ほど執筆を担当している。

ひかりのあめふるしま屋久島 

ひかりのあめふるしま屋久島 (幻冬舎文庫)

ひかりのあめふるしま屋久島 (幻冬舎文庫)

 

屋久島滞在記。 

私はこの本を読んで一遍にファンになってしまった。生き生きとした語り口の魅力と、屋久島の自然のパワーが満ちあふれている。そんな本。

水の巡礼

水の巡礼 (角川文庫)

水の巡礼 (角川文庫)

 

 『ダ・ヴィンチ』で連載していた『聖地巡礼』を改題・加筆修正したもの。霊能力者と出雲大社へ行ったエピソードが紹介されている。

マアジナル

マアジナル (角川文庫)

マアジナル (角川文庫)

 

 UFOを題材とした小説。

アルカナシカ 人はなぜ見えないものを見るのか

アルカナシカ  人はなぜ見えないものを見るのか

アルカナシカ 人はなぜ見えないものを見るのか

 

 『マアジナル』と同時出版のノンフィクション。複数人で複数回UFOを目撃したと話す人を多数取材している。

2019年7月30日修正:田口さんの著書で「絶版」としていたところ、絶版になっているものはないとわかったため、修正しました。失礼いたしました。