なにか新しいこと日記

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『ダ・ヴィンチ』BOOK OF THE YEAR2018を手に取ってみる《後編》

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ダ・ヴィンチ』BOOK OF THE YEAR2018特集号から、読みたい本を17冊ピックアップしてみました。なるべく読んだことのない作家を中心として選びました。
ざっくりした紹介と、選んだ理由などはこちらに。

something-new.hatenablog.com
2019年1〜3月までに6作品読み、4〜6月までにもう6作品を読了したので後半の感想を紹介していきます。 

7. 異形のものたち

異形のものたち

異形のものたち

 

10代の頃、小池真理子を何冊読んで、男女の愛憎はよくわからんなーと思った。今回久しぶりに読んだら、還暦を迎えた作者がいい感じに枯れているのを感じた。中年期の人の孤独をしみじみと感じる。

内容は意味不明でオチがない怪談ばかり。じんわりと怖いジャパニーズホラーである。

同じ作者による怪談本を何冊か読んでみたが、ダントツにこの本がよかった。

8. 生きるとか死ぬとか父親とか

生きるとか死ぬとか父親とか

生きるとか死ぬとか父親とか

 

著者は早くに母を亡くし、老いた父親のため、引っ越し費用や前払い家賃まで1人で負担したという。お金を出した分言いたいことを言い、「本に書くよ」と本人了解のもとにいろいろ書いている。

いい話もあるし、失敗した話、お互いに噛み合わなくて苦い思いをした話、昔話。いろいろあって、母親がいなくなった後の家族の歴史が作られている。

ユーモアと哀愁があっておもしろい。いずれ私も行く道だな~と思って笑って読んだ。

9.一発屋芸人列伝

一発屋芸人列伝

一発屋芸人列伝

 

一発屋芸人にも盛大な一発屋としょぼいのと中ぐらいの、序列があるらしい。

自らも一発屋芸人「髭男爵」の片割れとして知られる山田ルイ53世が、仲間の一発屋芸人たちに取材し書いている。文章は平易で読みやすいが、ところどころおもしろく書こうとしてスベっている感はあった。

評判が良かったから、私が期待しすぎてしまったのかもしれない。徹底的にシニカルで笑えるものを期待して読んだが、この本はそうではなかった。

10.目の見えない人は世界をどう見ているのか 

目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)
 

ノンフィクション作品。

著者は「美学」の研究者である。美学が学問として成立していることを初めて知ったので、まず、そこがおもしろかった。

著者は、目の見えない人の世界のとらえ方を取材して、晴眼者に対し相互理解へのヒントをポーンと投げかける。この領域についてもっと知りたいと思ったし、著者の姿勢も尊敬できるもので大変参考になった。
(この本をもとにして描かれた絵本『みえるとか みえないとか』も、近いうちに読んでみたい。)

11. 大家さんと僕

大家さんと僕

大家さんと僕

 

この作品も、お笑い芸人が書いたことで話題となった。しかし芸人のネームバリューをぬきにしても充分おもしろく、文学的な価値を感じるいい作品と言える。

とにかく大家さんが上品かつ、素敵な人だった……。上品さが極まると、思いやり深さに通じることを知った。

こういう方と時間をかけて交流したり、素直に感動できる感性を持った著者の矢部さんもまた、素敵な人だな〜と感じた。矢部さんはお笑い芸人より、むしろマンガや文学の方が向いてるのでは……。

続編や、「大家さんと僕」と僕(番外編本)(6月26日発売予定)も楽しみ。早く読みたい。

12. プリンセス・メゾン 全6巻【完結済】

女性が自力でローンを組んでマンションを購入する話。居酒屋で働く沼越さんを主として、不動産仲介会社で働く要さんや、その会社を通じて物件の売買を行った女性たちの人生のワンシーンを描く。(私はむしろ、要さんの目線で沼越さんを見守ったりだとか、他の女性たちのサイドストーリーの方を興味深く読んだ。)

登場する女性たちがみな凛として自立しており、カッコいい!

人間模様だけではなく、都会で暮らす日常の景色、夜空やなにげない道端の自然風景が繊細な筆致で描かれていて、そうした風景の美しさにも感動する。

【途中離脱】噴煙姉妹

途中まで読んだ。今の日本ではない、パラレルワールドにある温泉街を舞台に、軽妙洒脱な文体で書かれたユーモア・ミステリらしき作品。登場人物が出揃ったところで、おもしろくなってきそうな気配はあったが、なかなかおもしろくならないので読み切れず離脱した。

終わりに 

『そして、バトンは渡された』『たゆたえども沈まず』『彼女は頭が悪いから』は図書館にリクエスト済みで、現在までに順番が回ってきていない状態です。ハードカバーは図書館で借りられるとありがたいんだけど、状況によっては2週間で読みきれなかったりするのがつらいところ……。

引き続き、新しいものを読んでいきたいと思っているので、今後は文庫の新刊コーナーをチェックするなどして未知の作家との出会いを探したいと思います。

あとは、今年から専門書・実用書は2,000円以下即決のルールを設けました。なので、なにかおもしろい本を見つけたら、読み終わったものに限って、年末にまとめて紹介できればと思います。月1冊ぐらいは、なにか新しいもの読みたいな〜。

 

2019年1〜3月までに読んだ6作品はこちらに紹介しました。

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