なにか新しいこと日記

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2020年に繰り返し読んだマンガまとめ《アラフォー・オンナ編》

2020年はステイホームをきっかけとしてiPad miniを購入し、電子書籍・コミックをよく読んだ。マンガアプリも読んだし、続きが気になったものはKindleで探して読みもした。

マンガには「消耗品」の側面があり、1度読んだら気が済んで2度と読まないものもある。一方、続きが出るたびに追いかけて2度3度と読み返したくなる作品もある。

この記事では、アラフォー・女の私の目で読んで、繰り返し読む価値があったおすすめ作品を集め、紹介したい。

1. 御手洗家、炎上する 1〜7巻(以下続刊)

あらすじ

13年前、火事で全焼した御手洗(みたらい)医院。
その出火の原因をめぐり、ある疑惑があった。

御手洗家の娘で、父母の離婚により村田杏子(あんず)と名字を変えた娘は真相を明らかにするため、化粧で顔を変え、偽名を使って御手洗家に家政婦として潜入する。

おすすめポイント

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藤沢もやし・著『御手洗家、炎上する』7巻より

火事をきっかけに御手洗家に入りこんだ後妻の真希子夫人は「カリスマ主婦」としてもてはやされ、SNSでも評判を呼ぶ。彼女には裏の顔があるのではないか?
SNSの「炎上」と家屋の「炎上」を掛け、セレブ家庭のゲスな裏側を描き出した点がポイントだ。

途中、杏子の正体が何度もばれそうになるのだが、すんでのところで救いの手が現れる。緩急ある展開で7巻までグイグイ読ませる。

2021年6月発売予定の8巻が、最終巻となる。

2. 明日、私は誰かのカノジョ 1〜5巻(以下続刊)

あらすじ

大学生の雪には、顔の右側に大きく引きつれたケガの痕がある。自力で金を稼ぎ、いずれは整形して痕を消すために、化粧で美しく装い「レンタル彼女」のアルバイトに励んでいた。雪は依頼者のニーズに応じ、巧みに化粧やファッションを変え、「彼女」になりきって見せる演技で人気を博した。

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をのひなお・著『明日、私は誰かのカノジョ』1巻より

ある日、雪の素顔を知り、ありのままの雪を好きだと言う青年が現れる……。

おすすめポイント

男性客の求める「彼女」像を巧みに演じる雪の冷徹さとプロ意識にシビれる。一方、雪に自分勝手な願望を投影してはしゃぐ客たちは、愚かしくも悲しい。
また、雪の周りの女性たち。パパ活女子大生のリナ、整形マニアのアヤナ、ホストにはまる萌など、女性キャラも色とりどりだ。男女共に愚かしく人間くさい、ゲスな側面を暴いて見せるのでおもしろいが、『ウシジマくん』ほど大きく道を踏み外す人がいないので安心して読み続けられる。

3. 八百森のエリー 1〜5巻(以下続刊)

あらすじ

大学の農学部を卒業した青年エリーは、宇都宮中央卸売市場に属する「仲卸」の八百森青果に就職する。「仲卸」とは各地の生産者や農協を通じ、市場に入ってきた青果を仕入れて、スーパー、飲食店、ホテルなどに納入する業者だ。

エリーは同じく採用された新人の「のりたま」と共に「仲卸」の仕事を学び、仲間と協力してトラブルを解決する。

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仔鹿リナ・著『八百森のエリー』1巻より

おすすめポイント

毎回ドアップの見開きで野菜畑のシーンが登場し、美しく描かれる。とにかく感じるのは、作品中にあふれる作者の「野菜愛」だ。

スーパーに日々納入される70種類もの青果の値決めや、安定した品物の供給も「仲卸」がなければ到底かなわないのだと、マンガを通して学べる。「お仕事マンガ」としても質が高くおもしろいし、キャラクターにもそれぞれバッググラウンドがあり、血が通う人間ドラマがあって、続きが楽しみな作品だ。

特に、野菜が好きな人、食いしん坊な人におすすめしたい!

4.令和の家政婦さん 1〜2巻(以下続刊)

作品紹介

田切里は大柄で、見かけは男性のよう。言葉遣いもぶっきらぼうだが、Sランクの栄誉に輝くスーパー家政婦だ。仕事は細やかで依頼人の心の機微を察知する能力にも長け、行く先々で厚い信頼を得ている。

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小池田マヤ・著『令和の家政婦さん』1巻より


彼女が派遣された先で、あるいは他の家政婦との交流の中で生まれる人間ドラマと美味しい料理を描いた連作シリーズマンガ。
2019年から掲載誌を移り、月1で連載されるようになった。

おすすめポイント

このマンガは、第1作目からずーっと楽しみに読み続けている。人間味にあふれ、ジェンダーの壁をやすやすと打ち壊し、男にも女にもモテまくる(しかしあっさり付き合っては別れてしまう)里さんが私は大好きだ。

このマンガはどちらかと言うとHPSだとか、性格が繊細で、人間関係で悩みがある人におすすめだ。里さんはきっと読者を励まし、背中をドン!と押してくれるだろう。

《家政婦さんシリーズ》を最初から読みたい人は、この作品から。

5. おいおいピータン!!1巻(以下続刊)

作品紹介

ピータン」は食いしん坊で太っちょのサラリーマン。本名・大森利夫。同僚の渡辺さんと長く同棲しており、最近結婚した。

ピータンと渡辺さんとのほのぼのとした日常。また、ピータンの周りの人たち、元カノの陽子さんだとか、無関係??のマユさんだとかレギュラーの登場人物が代わる代わる主人公を務める、連作短編コメディだ。

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伊藤理佐・著『おいおいピータン!!』1巻より

『おいピータン!!』のタイトルで20年間連載され、17巻で完結。その後にタイトルを少し変え、新しく始まった。

おすすめポイント

基本的に毎回食べ物をめぐる人間ドラマで、読後感は笑えるもの、ほっとするもの、あたたかい気持ちになるものばかりだ。どこから読んでも差し支えない。短い話の連続で、17巻読み続けても飽きない良さがある。

6. 悪役令嬢転生おじさん 1巻(以下続刊)

あらすじ

53歳の公務員・憲三郎はトラックに轢かれた拍子に異世界に転生し、悪役令嬢グレイスの脳内に入り込んだ。グレイスは公爵家の令嬢で、気位が高く高圧的な性格で知られていたが、憲三郎の人格が入り込んだことで性格が一変した。
ゲーム内での主人公アンナに意地悪しようとしても、つい「親」代わりの目線で慈しみ、よき方向へと導いてしまうのだ。

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上山道郎・著『悪役令嬢転生おじさん』1巻より

おすすめポイント

「悪役令嬢」としてアンナをいじめ、アンナを王子との恋愛ルートに誘導しなければならないのに、憲三郎の芯から身についたジェントルなふるまいにより、アンナからは慕われ、王子から好意を持たれ、どんどん逆のルートへとはまり込んでいく姿が痛快だ。
「悪役令嬢もの」と言えば、現実世界でモテない女性が転生してファンタジーの世界で活躍し、一発逆転、恋愛を謳歌するパターンが多いが、あえてコメディに全振りしたところがユニークで楽しい。

7. コーヒームーン 1〜2巻(以下続刊)

あらすじ

2月7日、誕生日の朝。ピエタは傘をさして学校に出かけた。途中で車の泥はねが派手にスカートにかかり、学校に着くと親友の駄苗(だなえ)はトンチンカンなプレゼントをくれる。美術の課題は明日が期限だが、ピエタはあえて手をつけず、床に就いた。

だって明日目覚めれば、また今日と同じ、誕生日の朝。雨の1日なのだから。こうしてピエタは何度も何度も、同じ1日を繰り返しているのだ。

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牡丹もちと・著『コーヒームーン』1巻より

おすすめポイント

アニメチックな可愛いキャラクターと、黒が引き立つハイコントラストの画面作りが魅力だ。1000日も降り止まない雨、時折現れるピエタとそっくりの少女がミステリアスな雰囲気を盛り上げる。

ループを繰り返すごとに違う行動を試し、なんとかループを抜け出せないか、友人に起こる悲劇を止められないかとピエタが奔走する様子にハラハラしつつ、応援してしまう。

8. 私はカレン、日本に恋したフランス人 全1巻

あらすじ

フランスのテレビ局に勤めている26歳のカレンは、溜まっていた有休休暇を消化する際、旅先としてなんとなく日本を選んだ。そして初の来日からすっかり日本の文化や音響技術に惚れ込んでしまい、休暇のたびにフランスと日本を行き来するようになる。

やがて取材をきっかけとしてマンガ家じゃんぽ〜る西と出会い、彼を愛し、結婚して日本に移住した。

ジャーナリストである彼女の瑞々しい感性によって、日本で出会った驚きや感動を生き生きと語り、夫のじゃんぽ〜る氏がマンガにした作品。

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じゃんぽーる西・著『私はカレン、日本に恋したフランス人』より

おすすめポイント

よくある「日本スゲー!」的な日本礼賛ではなく、ジャーナリストとしての目線でロジカルに分析し、ユーモアをまじえてマンガにしているところがいい。
1人の女性の半生記、キャリアの記録としても起伏に富んで、おもしろく、何度読んでも飽きない魅力がある。この「カレンさん」という人物の圧倒的魅力により、成り立っている作品だ。

終わりに

2020年はコロナ禍の中、心が温かくなるもの、スカッとするもの、あるいはハラハラドキドキのサスペンスで(なるべく)人が死なないものを選び、楽しく読んでいた。

はてなブログでも何人か感性の合う人をフォローしていて、その人たちが勧めるものは積極的にポチって試している。それでも「すごくおもしろい! 何度も読みたい!!」と思えるほど引き込まれる作品は、5作に1作くらいか。

こういう時代だから、少しでも気になったものは気軽に試し読みして、お気に入りができたら、そのときは自分の財布からお金を出して応援し、SNSでも積極的にシェアしていきたい所存である。

お題「#買って良かった2020