なにか新しいこと日記

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『みんなのミュシャ ミュシャからマンガへーー線の魔術』展・感想

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Bunkamuraザ・ミュージアムで開かれた『みんなのミュシャ』展に行ってきました。

平日の真っ昼間、最も暑い時間帯に行ったせいか、空いていて見やすかったです。
館内は冷房がガンガンに効いていました。

今回ミュシャ財団の協力により、194点の展示のうち半分以上はミュシャでした。
間近でじっくり見られて良かった〜〜。10数年前にも一度見ているけど、そのときは混みすぎて近くでは見られなかったので……。

 

会場内には一部、撮影可能なエリアが設けられていました。

これは、酒瓶を手にしているところからして、お酒のコマーシャルかな。ミュシャモエ・エ・シャンドン社など、お酒の広告を多数手がけていますね。

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『崖に咲くヒース』(左)『浜辺のアザミ』(右)は、私は初見だったような……。

民族衣装を着たブルターニュノルマンディー地方の女性。エキゾチックな雰囲気が素敵です。

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『よみがえるアールヌーヴォーとカウンターカルチャー

このコーナーでは、1960年代のレコードのジャケットが多く見られました。

ミュシャの構図を参考にしつつ、色調や絵のタッチはビビッドでサイケデリックなものが多かったです。 

『マンガの新たな流れと美の探求』

このコーナーでは、水野英子山岸凉子花郁悠紀子波津彬子松苗あけみら、少女マンガ家のイラストと、天野喜孝出渕裕によるイラストレーションが展示されていました。

私のめあては、マンガ家の山岸凉子先生。今回5点が展示されていました。

  1. 長編『アラベスク』より、『真夏の夜の夢』(1975年)
  2. 短編『黒のヘレネー』(1979年)
  3. 長編『日出処の天子』より、『迦陵頻伽』(1980年)
  4. 長編『日出処の天子』より、『孔雀に乗った王子』(1984年)
  5. 舞姫テレプシコーラ』より、『ドン・キホーテ』(2004年) 

アラベスク』以外は複製だったみたい。

わかりやすく「ミュシャ風」なのは『アラベスク』と『黒のヘレネー』くらいで、あとは代表的長編作品の扉絵が紹介されていました。まあ、意図は理解できるような……。

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山岸凉子『黒のヘレネー』(1979年)より部分

『タイムスリップ』とか、『木花佐久夜毘売』『蛭子』みたいなわかりやすいオマージュが紹介されていないのが、意外でした。

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山岸凉子『タイムスリップ』(1993年)

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山岸凉子木花佐久夜毘売』(1986年)

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山岸凉子『蛭子』(1985年)

今回初めて、 花郁悠紀子 ( かいゆきこ ) 先生のイラストを見られたのが良かったです。

妹である 波津彬子 ( はつあきこ ) 先生は現在も活躍中のため、なじみがあります。波津先生は猫のような目の描き方と、ブルーの使い方が印象的。

私は、特に泉鏡花をマンガ化した作品群が好きです。『鏡花夢幻』に収録されている『天守物語』『夜叉ヶ池』『海神別荘』辺り。うっとり……。

波津彬子選集 1 鏡花夢幻 (Nemuki+コミックス)

波津彬子選集 1 鏡花夢幻 (Nemuki+コミックス)

 

今回展示の『海神別荘』は、金沢市にある泉鏡花記念館で波津彬子原画展を開いた際のポスター用イラストで、普段は記念館に収蔵されているようです。
ここも行ってみたいな〜〜。

 

波津先生は夭逝したお姉さまの没後にデビューされ、活動期間は重なっていないんですね。絵柄も似ていませんでした。 

花郁先生では『不死の花』という、藤と共にしなだれる女性を描いた作品を気に入って、ポストカードを購入して帰りました。たぶん、短編作品からの一コマでしょう。読んでみたい!

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花郁悠紀子『不死の花』(1979年)

水野英子先生『オンディーヌ』も良かったけど、グッズがなくて残念でした。

山岸先生の作品はグッズで小さくなると魅力が半減するように思い、なにも買いませんでした。やはり画集を買って大画面で見るべきだと思った。

少女マンガのイラストからは、どれも小さいのに溢れるようなパワーを感じました。

 

天野喜孝先生の原画は逆に大きくて、迫力がありました。ゲームのパッケージなどでは小さいイラストを見慣れており、こんなに大きく描かれていたのか!と驚きました。

おもしろかったです。

ミュージアムショップと書店

ミュージアムショップでは複製原画やポストカード、クリアフォルダー、お土産のお菓子などが販売されていました。

ミュシャの絵は縦長の構図が多いので、通常サイズのハガキの他に「定形外」の縦長のポストカードが用意されていました。こっちの方がいいね。印刷もきれいだし。

あとは、ミュシャ柄のてぬぐいなんかもおもしろかった。

関連書籍も充実してましたが、私はすでに持っているので、何も買わなかった。

山岸先生の書籍は『アラベスク』と『汐の声』が売っていました。あとは最近新装版が出た『月読』『天人唐草』と、画集も。
今回展示されていた『黒のヘレネー』は、スペシャルセレクションでは『二日月』に入っているはずなのに、なぜ『汐の声』を選んだのか。たぶん、スペシャルセレクションの1は表紙の市松人形が怖すぎるから、次点で2巻を選んだのかな……?

私も初心者に勧めるなら1か2を勧めます。それか『天人唐草』がいいよ、怖いよ〜『天人唐草』は!

汐の声 (山岸凉子スペシャルセレクション)

汐の声 (山岸凉子スペシャルセレクション)

 
天人唐草 自選作品集 (文春文庫)

天人唐草 自選作品集 (文春文庫)

 

出口を出た正面にアート専門の書店があり、こちらもひとしきり眺めました。

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こちらにもミュシャグッズありました。アートやデザインに興味がある人には、こちらも楽しめると思います。 

 

『みんなのミュシャ』展は2019年9月29日まで。
チケットを安く入手する方法を、こちらの記事で紹介しています。

something-new.hatenablog.com

追伸:りとさんの「ミュシャ

rito.gameha.com

『りとブログ』のりとさんも、ミュシャ展に行ってらっしゃいました。(メスキータ、私は見逃してしまった。残念!)

りとさんがミュシャを知ったきっかけは、『コミッカーズ』に掲載されたイラストレーター・桜瀬琥姫 ( おうせこひめ ) 先生のインタビュー記事だったそうです。『コミッカーズ』ってもうなくなっちゃったんだけど、おもしろい雑誌でしたよね。私も大好きでした。

記事内にあるりとさんのイラストを拝見すると、オマージュってやっぱり楽しいものだな〜と思います。

私のきっかけはCLAMPでした。
『なかよし』を購読していた当時、『魔法騎士レイアース』付録のレターセットがミュシャのオマージュで「うわ、このイラスト素敵だな〜」とショックを受け……。その後ミュシャと出会って、これだったのか〜〜!と、どハマりしました。

誕生日に、母が『ダンス』の複製の大きなポスターを買ってくれて、すごくうれしかったな〜。今回の展覧会のポスターに選ばれた図柄で、これを選んだ母はなかなかセンスが良かったと思う。

多くの漫画家・イラストレーターが影響を受け、今も愛され続けている画家ですね。ミュシャは。