なにか新しいこと日記

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夕食後の読書タイムに読んだ本【2024年9月】

8月の頭に実家大きなで揉め事が持ち上がり、ずーっと脳がビジー状態だった。おかげさまで夏の間毎朝4〜5時まで眠れず、昼夜逆転生活、乙。

そんな中で読書やブログがはかどるわけもない。趣味の洋裁で手を動かしてなんとか息していた。

9月の成果は活字の本2冊、アメコミ3冊。

ラブクラフトオマージュの『プロビデンス』を読んだので、この後、えむ文庫の田辺剛(=ラブクラフトのマンガばっかり描いている)を読みたいんだけど、その前に自分とこの棚のジョナサン・キャロルを読みたくて、読み始めたのでこっちを一通り読むつもりだ。

1. 生物と無生物のあいだ

8月23日〜9月3日。2時間20分で読了。

5〜6年前に買って積んでいたもの。高校の化学でいきなり赤点を取った私には全く理解不能な記載が延々と続くので苦痛だった。これを読む前に化学の基本からやり直したほうがいい。自分の愚かさを実感した。

 

2. プロビデンス 全3巻

9月5日〜17日。5時間程度。

えむさんの『ネオノミコン』を借りて読んだらハマり、続編の『プロビデンス』シリーズは自分で買って集めた。1冊3000円もするお高いアメコミ、全部プロパーで買った。楽天で。

2024年7月に最終巻が刊行されたばかり。1巻は再読、2巻以降は初読。わけのわからない話だからざっと2回読んだ。

1882年の6月、マンチェスターの郊外に隕石が落ちた。その隕石には宇宙と交信する力があり、隕石に触れた人の一部はふしぎな力を得るようになった(?)。力に魅了された人々は秘密結社を作り、本を書いてその秘密を伝道した。

1919年、新聞記者のブラックは奇書『スー・ル・モンド』について取材を始める。恋人の死のショックから逃げるようにしてのめりこみ、仕事を辞めて取材の旅に出た。

時系列で言うと大体そういう話だ。ロードムービー式だ。新しい人物と出会うごとに少しずつ事情が明かされ、隕石の秘密に迫っていく。途中で異常な出来事に遭遇したり、邪悪な力に精神を支配され気が動転したりだとか……。たぶん、ラブクラフト自体がそういう話なんだろう。
親子姦のテーマが繰り返し出てくるのが気持ち悪い。

三又の槍を持ったじいさん(海の怪物の一味)とか、人を殺して剥製にしていると思しき猟奇カップルとか、なんか意味あるのかなと思ったけどたいして意味があるわけではなく、たんにラブクラフトのオマージュってだけかも。

これもわけわかんない話だったな。でも、結構好きだ。時間を置いてまた読んでみよう。

3. 月の骨

9月19日〜9月末まで。2時間30分ほど。

読書の醍醐味は再読にあり。大好きなジョナサン・キャロルを読む。

キャロルの初期作品は、若い頃に繰り返し読んだ。1作目の『死者の書』が一番好きで5回以上読んでいるので、その次の『月の骨』から。

他人の夢の話はつまらないというが『月の骨』は大半が主人公カレンの夢の話だ。小さな男の子ペプシと共に異世界を旅する夢。これがおもしろい。ときどき、現実とリンクするところがあって、夢が現実に侵食してくる。

浅羽莢子の訳が天才的でこの上なく読みやすい。1989年の翻訳だが、古さを感じさせない、いきいきとした言葉で描かれる。浅羽さんの訳で読めた時代は幸せだったな……。

浅羽莢子が病没する前から、キャロルの作品は別の翻訳者が手がけるようになり、決してそれが悪いわけではないが、物語の味わいは大きく変わった。

2006年頃に何作か翻訳された後、ぱったりと出なくなり、作家の津原泰水が出版交渉しているという話もあったが、その津原先生が2022年に急死し、現在に至る。

2002年以降のキャロル作品も日本で出版してもらえるよう、東京創元社を応援しつづけなければならない。そういうわけで買って、読んで、応援しているわけ。この後もしばらくキャロルを読んでいく。