なにか新しいこと日記

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夕食後の読書タイムに読んだ本【2024年7月】

7月は読書タイムをさぼりがちになってあまり読めなかった。

2冊目に難しい本を選んでしまい途中でイヤになってしまった。(途中でやめればよかったね!)

7月の後半は気持ちが萎えて、別のことをしていた。

アウシュヴィッツ収容所

6月30日〜7月6日。2時間40分で読了。

映画『関心領域』を観たことから、アウシュヴィッツ強制収容所所長ルドルフ・ヘスに興味をもって読んだ。図書館から借りた本。

ヘスが戦後に未決拘置所で取り調べを受ける間に書いた膨大な手記の中の一部だ。ヘスの自伝と「ユダヤ人をどう処理したか」「ヒムラー隊長と私」の3項目が収録されている。編者によれば、一部の事実の誤認、数字のまちがい、わざと書かなかった女性関係(不倫)はあるものの、おおむね正確で信頼できる文書だそうだ。

ヘスは元々敬虔なカトリック信者であったが、少年期の些細な出来事から信仰を捨て、義勇軍に加わる。政治犯として刑務所に収監され、10年の刑期の途中で恩赦により釈放された。農業志願青年運動の道に入り、29歳で結婚。5年後にヒムラーの命令によってナチ親衛隊に。(農業運動のメンバーは半ば強制的に組み込まれたということか?)かつて囚人であった経験から、強制収容所の看視に適任とみなされ勤務することになった。

16までしかまともに教育を受けていないはずだが、それでいながら、こうも緻密な文章を書けるかと驚くほど、才知がある人だ。
元々勤勉な性格の上に20代で刑務所に入り、ヒマな時間がたっぷりあったから、本を読んだり、内省したり、囚人を観察したりして知性を磨いたのだろう。

残念ながら、その能力はユダヤ人たちを効率よく殺すことに最大限発揮された。

ガス室でユダヤ人を殺害する現場に立ち会い、ヘスは心の痛みを感じたという。
火葬場や施設に勤務している人の多くは「女たちがこどもを連れてガス室に入るのを見ると、思わず、自分の家族のことを考える」(p312)

この部分感情を抑制して書いているが、たとえば『シンドラーのリスト』アーモン・ゲートのように嬉々として虐殺に加担していたわけではないのだとわかった。

だからなんだという話だけど、とにかく、知らないよりは知ったほうがよい。

中国名言集・上

7月8日〜?? 3時間ほど。

数年前に3巻セットで購入した文庫本。

1983年に文庫化したもので「日本人に多少ともなじみの深い古代の名言」を取り上げその由来と歴史について解説したらしいが、今読むと、完全に忘れ去られた言葉ばかりだ。

「文字あらわれて鬼すすり泣く」「倉頡はじめて文字を作る」とか……

知らないし、意味がわからない。当時の『アサヒグラフ』の読者にはなじみ深い言葉で意味が知れ渡っているからわざと書いていないのだろう。現在の本なら、こういう作りはありえない。わかりきったようなことでも「読者は何も知らない(かもしれない)」を前提として、冒頭でわかりやすく意味を説明した上で歴史的な経緯などの解説をするのが普通じゃないか。

50ほどの故事成語が載っている中で、私が知っている(意味がわかる)のは「酒池肉林」「他山の石」「蛇を描いて足を添う」「臥薪嘗胆」ぐらいだった。

こういう故事成語とか慣用句みたいなものって、特に、ネットの世界では使われないし、どんどん忘れられている。「意味がわからないと通じない」言葉を多用するのは親切じゃないから、それでいいと思うけど……。

なかなか読みにくくて苦労した。こういう読みづらいものを課題として選ぶと、進まないし、途中でイヤになって、いい加減に読んだりするからよくない。続きを読むのはもっと知識をつけてからにしよう。