8月末に安倍晋三元首相が退陣表明して以降、ニュースは総裁選一色となり、マスメディアの関心はコロナから離れたようだ。
私も東京都の陽性者数を日々気にかけることはなくなった。それよりも重症者数、実効再生産数、感染症対策病床数の空き状況を見て、今は増えているのかどうなのか、自分なりに情勢を把握するよう努めている。
9月はほとんど横這いの状況であった。
情勢は大きく変わらないはずだが、人々がこの状況に慣れたこと。気候も涼しくなって活動しやすくなったこともあってか、事業の売上は徐々に回復している。
「4〜5月の休業をきっかけに顧客離れした」と考えたのは早計で、ポツポツと戻ってきたお客様から話を聞いてみれば、このコロナ禍に本物の緊急事態に陥っていた方が何人もいた。
大きなダメージもなく再会できた方は良かった……ほんとうに良かった……。
そして、またこの時期にご依頼いただく新規案件は深刻なものばかり。「軽い気持ちで、ちょっと……」なんてものはなく、ズッシリと重い案件が多いのだ。その分普通より忙しくなった。
再開時の営業がまずかったことを長く後悔していたが、結局、上手に営業できなくても実直にやっていれば少数のお客様が支持してくださるのだから、まあいいか……と今は感じている。
この機会に重めの案件で実績を積み、未来に種まいていければいずれ挽回のチャンスも来るだろう。
先の見えない状況がしんどかったが、この頃、一つトンネルを脱した気がする。
9月は余計なことを考えまいとして、たくさんKindleを読んだ。その中に勝間和代さんの『圧倒的に自由で快適な未来が手に入る! 勝間式ネオ・ライフハック100』がある。
誰にとっても、 1日は24時間です。その中で、自分が不快で嫌だと感じることに時間を費やさないで、快適で嬉しくなることに費やす、というこの構成が、自分の幸せの総量を増やしていくことだと思います。
「頑張る」を禁句にしましょう。 個人的には、頑張ると息抜きや気晴らしが必要になるのも考えものだと思っています。息抜きや気晴らしで手っ取り早いものといったら、タバコ、コーヒー、甘いお菓子、お酒ですね。 これらは、すべて依存性があるもので、健康を害するものばかりです。それらを必要としない程度に、すなわち頑張らないで平穏に暮らせるように生活設計をすると、健康的にもなれてよりよいと思います。
—『圧倒的に自由で快適な未来が手に入る! 勝間式ネオ・ライフハック100』勝間 和代著
勝間さんの考え方はシンプルで合理的。私にとって多くの学びがある。
なんとなーくわかっていたことでも、飾らない言葉できっぱり言語化されるとより一層深く理解できる喜びがある。
がんばらず、力を抜いてもつねに高いパフォーマンスを発揮できるよう、心身のコンディションを整えること。それから、つまらんと感じることは捨てて、楽しく感じる時間に集中していくこと。この2つをより意識することにした。
あとは『メイドの手帖』『洞窟オジさん』『兄の終い』など、それぞれ時間があるときに読めて良かった。
涼しくなると頭もよく働いて、読書の染み込みがよくなる(気がする。)
9月の前半はそのようにして、読書と仕事関係の資料の読み込みに費やした。
コロナをきっかけに大きく崩れた体制を立て直すのに必要な1か月だったと思う。
少しずつ、忙しくなってくるような兆候もあった。
この時期は長年悩んだアレルギー性鼻炎を治療するべく漢方薬局のウェブ相談を利用したり、洋服やソーイングの生地を買い込んだりして、お金も結構使った。
使った分は、また仕事をして取り戻さないとね。
おそらくコロナは消滅することなく、共に生きていくことになるのだろう。
新しい生活習慣を続け、1〜2年もすればすっかりそれが当たり前となり、コロナだけをことさらに恐れることはなくなるだろう。
社会を変えるようなインパクトのある事件は、大体10年おきに巡ってくるのを実感している。今回は私が転職した後初めて体験した大きな災禍であった。
精神的に落ち込んだ時期もあったが、なんとか今のところは耐えぬくことができている。
先々のことを心配して暗くなるより、目の前の仕事と個人的な楽しみに集中し、自分の幸せを最大化することだけを日々考えたい。