あるとき、友人に訊かれた。
「家計簿付けるの苦手なんだけど、やっぱり付けたほうがいいよね?」
「そんなことないよ。家計簿なんか付けなくても、赤字にならなければそれでいいんだから……」
そう言ったのだが彼女には響いていないようだった。
家計簿を付けて1円も貯金できない人より、家計簿を付けなくても毎月少しずつ貯金できている人の方が財政は健全だ。
折衷案として、1か月だけがんばって家計簿を付けてみるのはどうだろう。そのデータをもとに予算を決め、無理のない範囲で積立をすればそれでいい。毎月家計簿を付ける必要なんてない。
「家計簿を付ける」それ自体が重要ではなく「大体の予算を決めて、その中で生活する」ことが大事だ。ここを履き違えているとお金は貯まらない。
この記事では私が数々の失敗を繰り返しつつ、財政健全化にこぎ着けた方法を紹介したい。
ステップ1: 家計簿を付ける
家計簿付けがめんどくさいのでマネーフォワードで自動化した。無料アプリは突然サービス終了する可能性があるので、私はマネホに課金している。
支払いはできる限りキャッシュレスに移行した。毎月1〜2回ざっと見て科目分けが合っているかをチェックし、現金で支払ったものはレシートを溜めて、ときどきカメラで撮影して記録する。個人家計簿に関してはこれだけ。
デフォルトの科目は多すぎるので、ある程度まとめて、自分が知りたい項目だけにしている。
記録漏れ、ミス、現金とのズレは、私は全く気にしない。全部無視して「ざっくり1か月分のデータを集める」ことだけに集中している。
重要なのは、臨時出費を「特別な出費(特別費)」として計上すること。冠婚葬祭、ふるさと納税、急病、旅行など。こんなのを月の予算に入れると一発で赤字になり、イヤになってしまう。
ステップ2: 使用状況を把握する
家計簿を付けても、統計として情報を活用しなければなんの意味もない。
当たり前のようだが、これができている人、そんなに多くないんじゃないかな?
私自身、長年家計簿を付けっぱなしで放置していた。しかし、データを蓄積さえしていれば後で活用できる。
金額が多いか少ないか、他人と比較しても意味がない。自分で何年かデータを蓄積して、その中で比較検討するのがいい。
私の場合、食費と娯楽費が多い(明らかに無駄づかいしている部分がある)ので、ここを削ってスリム化するのが今年の目標だ。月1〜2万円減らすだけで年間でのインパクトは大きい。
ステップ3: 予算立てをする
生活費は月によって変動がある。1年の使用総額を12で割って平均にしたものを予算化するのが妥当だ。
(日経WOMANだとかの雑誌に掲載されている事例は、食費・住宅費が少なすぎるとかの特殊事例が多く、参考にならない)
収入が増えると、知らず知らずのうちに生活水準が上がってしまうのがネックだ。そうならないようにつねにデータを収集して、お金の使い方をチェックする必要がある。そのとき、基準となる予算が適正に組めているのかが重要だ。
特別費も重要で、最低でも月に1〜2万円は予算をとっておかないと、急な出費に対応できない。旅行好きの人なんかはもっと多く必要だろう。
まとめ
ステップ1〜3のサイクルを回し続けることによって、財政を健全化した。
ポイントはできるだけ赤字を出さないこと。赤字にならない、ぎりぎりのところで予算を組むのが重要だ。
最初は予算なんてわからないので適当にやって、何年かの間に修正を重ねて精度が高まってくる。そういうことでいいと思う。
家計簿付けがめんどくさい人は、1か月だけと決めて付けてみるのがおすすめだ。
ここに書いたのは個人家計簿の話。パートナー込みでの共同家計簿を入れると複雑になるので、その話は次回紹介する。
【付記】私の生活費予算 2024年
- 住宅費 50000
- 医療保険 (コープ共済)2100
- 水道光熱費 12000
- 通信費 6000
- 食費 50000
- 日用品 18000
- 健康医療 15000
- 衣服 10000
- 美容院 10000
- エンタメ 20000
- ソーイング 10000
- 特別費 20000
小計223,100
住宅費が安いのは、専有面積と家事労働の割合を考慮し、私の負担を少なめにしているからだ。
私は自営業のため収入に変動があるが、この他に社保、税金を支払い、残りを個人年金、小規模共済、NISAに投資している。