なにか新しいこと日記

当サイトではアマゾン、楽天のアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。

夕食後の読書タイムに読んだ本【2024年4月】

4月は読書タイムを利用して、9冊読んだ。

図書室の書架整理をすると、パートナーのゾーンから「これも読みたい」というものが次々に追加されて本の山が高くなってしまうのだが、それでも、毎月着実に読んでいるから少しは減らせている……かな?

図書室の整理の状況もそのうち記事にしたい。

1. 甘えの構造(部分的に読む)

3月31日〜4月4日まで。2hでざっと読む。

10年以上前、尊敬する師が「『甘えの構造』ぐらいは読んでおきなさい」というから買ったのだが読みこなせる気がしなくて、放置していた。

 初版は1971年。これってエビデンスとか論文とか、そういうものではなく個人の考えを滔々と述べた、いわばエッセイみたいなものなので、「日本人は云々」と大上段に語られても50年も経つと感覚の差が大きく、いまさら共感も理解もできない話が延々と続いて苦痛だった。もういいや、ギブアップ!

恩師はなにがそんなに琴線にふれたんだろうか……。いまさらながらにきいてみたいし、同世代で読んだ人がいたら、ぜひ感想を聞いてみたい。

2. うつ病ダイバーシティ

4月5日〜8日。1h23m。

Twitterで見かけて、さっそく読んだ。

精神科医である著者がうつ病の論文に一般読者向けの解説を加え、読みやすくしたものだ。症例集のような性格で読みやすかったし、実はよく知らない「うつ病」について知ることができて、有益だった。

「うつ病」と「抑うつ状態」の違いであるとか、コロナ禍でうつ病患者は増えたのかどうか。興味あるトピックスが扱われ、多くの論文・医学書を紹介しつつ、著者の意見を述べているので説得力があり、安心して読めた。

一般書のカテゴリーの中では医学書寄り、といった位置付けの本だ。

3. 随筆 本が崩れる

4月8日〜15日まで。2h15mほど。(文庫本にしては時間がかかった)

パートナーが積んでいた本。おもしろそうなので読んだ。

2LDKの永代橋のマンションに住み、生活に必要な家具もろくに置かずに書棚をぎっしり並べ、長い廊下に7つの書棚を置いてそこらじゅうに本を積み、3万2000冊の本に埋もれるように暮らした著述家の述懐。

本について書いたパートは全体の半分ほどで、残りの半分は野球の話とたばこの話だ。

健康的な生活を送っていたとも思えない著者は70歳で在宅ひとり死をして、大量の蔵書は故郷の北海道に送られ、帯広大谷大学に収蔵されることになったそうだ。(解説に書いてあったのを読んで、安心した)

エッセイとしておもしろかったし、実力ある書き手なのだと思う。なにしろ1冊本を書くために1000〜2000冊も資料を集めて、周辺のことまで調べて書くなんて大変なことだ。ナチス・プロパガンダについての本や著者が偏愛した李賀の伝記、読んでみたい。

4. みんなが知りたいシリーズ 乳酸菌の疑問50

4月13〜15日。90分で読了。

これもTwitterで流れてきたやつだ。げげげ、2020年に購入して4年も積んでいたのか……。読めて良かったな。

『みんなが知りたいシリーズ』は(2024年現在)24冊出ているらしい。

みんなが知りたいシリーズ | 海事・水産・交通・気象の専門書籍出版社の成山堂書店

テーマごとに学会が入っていることが多く、この本は日本乳酸菌学会が担当して複数人で手分けして書いている。
読者が知りたいと思うテーマが大体網羅されているので、読んで勉強になるし、重複もあるが逆に何回も書いてあることは大事なことなんだろうなと重みづけができてよい。

わが家では、パートナーのために何年もR-1を買って飲んでいるのだが、p121の「機能性が報告されている代表的乳酸菌と商品例」によれば、R-1は免疫調節作用と書いてあり、整腸作用を期待するならほかの菌の方がいいのではないかと思った。

5. プロビデンス Act.1

4月15日〜18日。80分。

3月にパートナーから借りて読んだ『ネオノミコン』がおもしろかったので、続編を自費で買って読んだ。国書刊行会が発行するアメコミは高価で気軽には買えない。4月、5月で1冊ずつ買って、Act.3の完結編は出版されたら読むつもりだ。(たぶん今年出版される)

舞台は1919年のアメリカ。新聞記者のブラックは、1880年代に出版された幻の奇書『スール・ル・モンド(世界の下で)』とその本に言及されたアラブ人による錬金術の書を求めて、ほうぼうをまわる。はじめは埋め草となる小さな記事を書くためだったはずが、恋人の死と合間に体験した異常な出来事を経て、ブラックは取材にのめり込み、社を辞めると言い残してニューイングランドへの旅に出るのだった。

章が終わるごとに手書き風のブラックの手記が挟み込まれ、マンガで出会ったシーンをモノローグによって追体験する。どちらかというとビジュアルで見るより文字で書かれたのを読む方がわかりやすく、理解の助けになっている。だが、次々と起こす異常な出来事に動揺したブラックの拙いモノローグを長く読まされるのはつらい。途中でちょっと飛ばしたところもあった。

来月、Act.2を読む前に再読する予定だ。

6. 批評の教室

4月18日〜25日。110分で読了。

この本は、パートナーのえむさんがあまりに文章術とか批評に関する本を大量に買い込んでは読まない(読む価値のないクズ本や難しすぎる本を買い込んでは放りっぱなしにしている)ので「そんなものを買うぐらいなら、北村先生の本を読みなさい」と勧め、えむさんが読んだ後で私も読んだものだ。

北村先生の文章は明晰で読んでいて心地よい。

第4章に『あの夜、マイアミで』とバズ・ラーマンの『グレート・ギャツビー』2つの映画を批評した短い文章が載っている。学生の飯島さんとの競作で、飯島さんの方がおもしろいことが書いてあるのだが、余計な話題を盛り込みすぎで読みにくかった。対する北村先生はさらっと書いて、短いページの中で1つぐらいの言いたいことを提示するだけに留めている。本来、自分のブログで映画やマンガのレビューを書くならこのぐらいがいいんじゃないかと思う。大いに参考になった。これも二度読む価値がある本だ。

7. 東京バス散歩

4月26日。50分で読了。

2012年の出版だからお店の情報は古い。半分位なくなっていそうだ。ざっと読んだ。
バスの路線自体はまだ生きているだろう。あてもなくバスに乗って、ただ車窓の景色を眺めるだけの小さい旅、楽しそうだ。

8. 新東京珍百景でチルする

4月26日〜28日。35分で読了。写真がメインなのですぐに読めた。

『東京バス散歩』と同時期に購入した本で、こちらは2020年の出版なので情報としては新しい。

映画『PERFRCT DAYS』に登場した浅草の古ーい地下街も紹介されていた。

他にも気になるスポットをいくつか見つけたので、近いうちに見に行ってみようと思う。

9. ブックデザイナー・名久井直子が行く 印刷・紙もの、工場見学記

4月29日。30分で読了。

グラフィック社『デザインのひきだし』で15年にわたり連載している人気コーナーをまとめた単行本の3冊目。

すっごくおもしろいんだけど、元の雑誌がB5版でそれを小さな単行本にまとめているので写真のキャプションが見づらい。そもそも本文が「縦書き」、写真の並びも「縦書き」の順序なのに、キャプションだけ一箇所にまとめて「横書き」になっているから、どれがどの写真のキャプションなのか、番号振ってあるけどわかりづらい。キャプションはみっともなくても、それぞれの写真のそばに寄せてもらったほうが見やすいよね。