5〜6月はとにかく忙しく、また、急に暑くなって、外出後には休憩が必要だったりと余計な時間を取られることで、夕食後ゆっくりする時間がなくなってしまった。
精神的にも急にストレスが高まり、パズルゲームに没頭して気をまぎらわそうとした。(が、かえって逆効果のような気もする)
6月以降は、隙間時間にコツコツ新しいマンガを買って読んだり(天女様がかえらない(1) (マンガワン女子部)、 おじ転生~悪役令嬢の加齢なる生活~(1) (サンデーうぇぶりコミックス)、 みいちゃんと山田さん(1) (マガジンポケットコミックス))眠れぬ夜に図書室でかつて読んだ本を開いたりして、読書時間自体は少しずつ増えている傾向だ。
しばらく、夕食後の時間は新しい本を読み、寝る前は再読にあてようと思う。
靴下バカ一代
「靴下屋」を展開するタビオ株式会社創業者の回顧録。
15歳で高校にも行かずに奉公に出され、毎日深夜まで働いて先輩方が寝静まった後、一人、布団の中で『孫子』を読んだという。「中国古典を読め」とだれかにすすめられて買い求めたらしいが、四書五経でもなく『史記』や『三国志』でもなく『孫子』を選んだところが良かったね!
人と同じことをやっていては成功しないと教えてくれる。おもしろい本だった。
ただ、PC導入のエピソードなんか、パワハラチックなことも書いてある。2016年の刊行だからこうなっているわけで、今の基準で本を出したら、こういう部分は修正されるだろう。
途中のコラムで、靴下専業でここまで成功しているのは世界的に見ても、ドイツのファルケと日本のタビオくらいと書いてあった。
長期連載をラクに乗りこなす28の方法(同人マンガ)
2025年6月、しっとりオブラート/たみふる頒布。
パートナーが愛読する百合漫画作者、たみふるの同人誌。長期連載を終えたマンガ作者の知見がぎゅっと詰まっている。
私はマンガを描いたこともないしこれから描く予定もないけど、おもしろかった。こういうのKindleで出したらいいんじゃないかな。せっかくの知見を後進は生かすべきよね。
にゅ、入稿した!!!!!出ます!!!
— たみふる (@_tmfly_) 2025年5月26日
長期連載をラクに乗りこなす28の方法(しっとりオブラート)の通販・購入はメロンブックス | https://t.co/L4kr8io2Yg
お嬢さんと嘘と男たちのデスロード
2022年の刊行。
ジェンダー・フェミニズム批評はあまり書き手がいないらしくてしょっちゅう依頼が来るが、もっと書き手が増えてほしい。ほかの人が書いたものも読みたい、と北村先生がどこかに書いていた。(この本の中だと思ってざっと探したが見つけられなかった)
私もそう思うけど、北村先生ほどシャープに切れ味よく書ける人はいないかもね。読んでいて、愉快、痛快だ。
韓国映画『お嬢さん』の批評をめあてに読んだが、ほかもおもしろかった。ジェーン・オースティンだとか、『嵐が丘』だとか英国文学を読んでみたいと初めて思った。
再読の価値あり。
Vフォー・ヴェンデッタ(マンガ・アメコミ)
読み始めたら、あまりに難しくて頭を抱えた。登場人物が多すぎる、群像劇だし、筋も相当に複雑だ。アメコミの読者ってギーク(オタク的な人たち)と呼ばれているらしいけど、要は、知的エリートよね!?
えむさん曰く「おれはもう何冊か読んで、アメコミの文脈に慣れてからだったから大丈夫だった。でも何度も読んでるよ」
一読した後、映画版(ウォシャウスキー兄弟、現姉妹監督作品)を見てから、また読んだ。
映画版は原作の世界観を守りつつも、万人にわかりやすく整理して脚色しており、すばらしいね! 20年前の作品とは思えない。今見ても見事な演出、映像美。あとナタリー・ポートマンが好きだから、ひいき目もある。
イヴィーは原作では16歳の少女だが、この役を10代の役者にやらせるのは酷だ。当時25歳のナタリー・ポートマンを配役して、設定も大人に書き換えてあるのがちょうどいい。
イヴィーとVの間にあるのは男女の愛ではなく同志としての愛だから、原作ではさっぱりと別れ、イヴィーが新たなるVとして覚醒するシーンを劇的に描いている。一方、映画のVは『オペラ座の怪人』のように、別れにセンチメンタルな味付けを加えて、映像的にもっと映えるように爆破の時機もずらしている。大胆に改変することで成功している、めずらしい作品だと思う。