なにか新しいこと日記

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2023年に読んで良かった本

2月になってしまったが2023年に読んで良かった本をまとめておきたい。

夕食後の読書コーナーで紹介した以外にKindleでもよく読んでいて、昨年は記録にある限り、活字の本は78冊読んだ。新刊に限定していないので古いものもある。
順不同でおおよそ読んだ順に並べた。1〜5は読んで得るところがあったもの。6〜7は単に読み物としておもしろかったものを取り上げた。

1. 三省堂国語辞典のひみつ

国語辞典がどのようにして作られているのかを知る端緒となった。

この後興味を持って『舟を編む』(マンガ)も読んだし、『辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 』も読んだら、すっごくおもしろかった。

学生時代、興味本位で『新明解国語辞典 』を買って長年愛用していたが、言葉は移り変わるものなのでたまに買い替えて新しい辞書を使うほうがよいと考えを改めた。

どちらかというと『三省堂国語辞典』のほうが語数が多く、新しい言葉を積極的に採用することから、今の私のスタイルに合っているようだ。
物書堂のストアで購入した『三省堂国語辞典』第八版と『類語新辞典』をiOSのアプリに入れて使用することにした。今後も使いたい辞書があればアプリに追加して、「横引き」したい。

辞書 by 物書堂

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2. 勝間式汚部屋脱出プログラム

読了後、2週間で各部屋の不用品を捨てまくった。以後は「どうしたらもっと快適になるか」「時短できるか」考えて物を選ぶようになり、少しずつレイアウトを変更している。
生活が変わったら、パートナーと並んで読書をしたり、録画したドキュメンタリー番組を共に観る時間も増えた。結果として生活が豊かになった。

3. デザインの仕事

広告デザインで知られる寄藤文平のエッセイ。(聞き手がいて、口述筆記のような形らしい)2023年に最も感銘を受け、手帳に抜き書きしたのはこの本だ。
デザインのハウツーではなく、いかにしてよいデザインを創るか、原理原則を書いているから、内容は古びることなく他の分野にも通じる。

例えば……

アイデアがうまく形にならない時、根本的にうまくいっていない場合が多い。p104

デザインの仕事は、要するに「あ、いいじゃん」っていうものができればいい。それ以外のところを効率化しても意味がない。p171

コミュニケーションについて書いたところもおもしろかった。

真摯なコミュニケーションは一生懸命やるほどいやがられ、人間関係が悪くなっていく。p16

人間関係の「和」を取るか、それとも目的という「実」を取るか。どっちかなんだよね。わかる〜。

この後、寄藤氏のデザインを集めた『アイデア』特集号も入手して見た。シンプルで研ぎ澄まされたデザインのよさを感じる。

4. 読むと元気が出るスターの名言

数年愛聴しているラジオ(ツイキャス)の相槌担当で、映画ライターの加藤さんの単著が出たと聞き、なにげなく買ったら、よい本だった。

14人のハリウッドスターの名言を取り上げ、代表作、転機となった出来事、異色作の紹介をしている。これを読んで「観たい」と思った作品がいくつもある。どれも古いもので配信がなかったりするので、TSUTAYAやゲオに行かなくちゃ……。

著者の好みでアクションスターが多めだ。本では女性俳優はニコール・キッドマン1人しか取り上げられていないが、現在も連載中らしいのでもっと登場するといいな。

連載記事老後に効くハリウッドスターの名言|tayorini by LIFULL介護

 

5. 絶望名言

ラジオ深夜便の人気コーナーを単行本化したもの。文庫化され、2巻まで平積みになっているのを見かけて手に取った。

人生がうまくいっているときに人と仲良くしたり、人に優しくできるのは当たり前。うまくいかないときこそ、その人の真価が発揮されると個人的には思う。
文豪や偉大な芸術家の、人生のどん底に吐き出された言葉たちにしみじみと感じ入った。

紹介者である頭木さんは若い頃に難病の潰瘍性大腸炎を患い、13年もの間、病床で苦しい時間を過ごした。そういう人の実感から出る言葉には重みがある。何度も繰り返し読みたい名言集だ。

6. ザリガニの鳴くところ

前半はオーディブルの無料体験で聴いて楽しんだ。
池澤春菜さんの素晴らしい朗読によって、沼地の情景が浮かびあがり、貧乏育ちの白人の少女の幼年期から大人になるまで。また他の登場人物もこどもから老人まで、親切な人、意地悪な人、巧みに声色を使って演じ分けるので、人物の違いや人間関係も把握しやすかった。

前半は少女の成長を中心にして沼地の自然の中での暮らしやラブストーリーを描き、後半になると、急に殺人事件が起きてミステリーになる。緩急あった。
私は結末が知りたすぎて、後半、Kindleで一気に読んだ。「結末が知りたい、一気に読んでしまいたい」衝動をここまで感じるのは、年に1冊あるかないかの幸せな読書体験だった。

とにかく池澤さんの朗読が良かった。私にもう少し堪え性があれば、最後までオーディブルで聴きたかったのだが……。

7. 統合失調症の一族

12人の男女の兄弟のうち、6人が統合失調症を発症した、世にもまれな家族の歴史を記録したノンフィクション。

12人も次々にこどもをもうけて、2人の親だけで適切に育てられたのか?という疑問は、次男のジムが末の姉妹や弟に性虐待をしていたという証言から、不可能だったとわかる。
親の目の届かないところで性虐待は起きたし、また、親がいてもいなくても凄まじい喧嘩、暴力、取っ組み合いは日常的にあったという。12人のきょうだいが不適切な環境で育てられたことは明らかだ。

もちろん遺伝的因子もあるのだろうが、きょうだいを引き離してでも、もっと静かな環境で育てれば何人かは発症しなかったかもしれないし、発症してももう少し穏やかな人生を送ることができたかも。

なにか得るものがあったというわけではないが、読み物として圧倒された。

ジョヴァンナの本棚 (ジョヴァンナ) - ブクログ

このほかにマンガも大量に読んでいるわけだが……マンガは続き物が多く、以下続刊というケースが多いのでまた改めて別の形で紹介しようかと思う。