なにか新しいこと日記

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夕食後の読書タイムに読んだ本【2024年1月】

1月は正月休みがあって読書が捗った。自宅のライブラリから9点と、レンタルしたマンガ『へうげもの』全25冊を読み通した。

活字の本は1冊につき2〜3時間、マンガは字の多いものでも1冊30分で読めるのがわかった。自宅で1日30分を目標に読書しているのとは別に、通勤中や移動中にはKindleを読んでいて、そちらも大体1日30分ぐらい読んでいるようだ。

なので「ここに掲載している倍くらい読んでいる」というのが最近の実績だ。

これまで読書を数量的に把握することはせいぜい「月何冊読んでいるか」数えるくらいのもので、細かくはやっていなかったので、実際やってみるとおもしろい。

1. リサーチの始め方

12月30日から1月3日。1時間30分で読了。

2024年しょっぱな読む本はこれにした。えむさんの蔵書より。

リサーチの方法を教えるのではなく、どのように自分の調査・研究、興味のど真ん中を見つけるかという超難問を扱っている。これはすごい。大学に入る前に読みたかった! (残念ながら20年遅い)

小学校の自由研究でもやりたいことをまるで思いつかず悩んだ。問題抽出能力が乏しい。というか、そういう頭の使い方をこれまでしてこなかったんだな。

すごくいい本だが、なかなか読みにくいのでさーっと読んだ。

2. 調査されるという迷惑

1月3日から5日。1時間10分で読了。

町歩きする人は全員『調査されるという迷惑』を読んでください

とTwitterで言っている人を見かけて即注文した。ブックレットのように薄いが大事なことが書いてある。

調査やフィールドワークをやる人は全員読むべき。調査に協力してもらったら結果を知らせる(論文・掲載誌を送るとか)なんて、当たり前のようだが意外と行われていないらしい。

私も調査なんていう大それたものではないけど、街歩きしてあちこち写真に撮影してブログやTwitterに投稿したりしているので、人に迷惑をかけないように最低限のわきまえは持たなきゃならんなと思った。

3. 新釈中国古典怪談

1月6日から13日。1時間30分で読了。(この期間はレンタルした『へうげもの』をせっせと読んだので日にちが空いた)

こわいというよりあやしい話が多い。中国古典怪談より、写真家である著者の個人的なエピソードのほうが怖かった。

変死、非業の死を遂げた者は幽霊となってその土地に留まり、次の死者を待つ。新たな死人が出るとそこに居ついていた幽霊はやっと天界に行ける。これを「投生」というらしい。「地縛霊」が中国思想の影響を受けていたことがわかった。

4. 私の知的生産の技術

1月16日から17日。1時間弱で読了。

少し前に読んだ『ライティングの哲学』で紹介されており興味を持った。

京大式カードで有名な梅棹忠夫先生の『知的生産の技術』を読んだ読者の実践方法を募集し集めた文集だ。『家庭管理のための情報整理』なんて、私もほぼ似たようなことをやっている。この本から派生して作られた京大式の「料理カード」も使っているし。

結局、情報はなんのためという目的意識をもって集めることと、ただ集めただけではなく、自分なりに創意工夫して活用することが大事だ。

(読了後、オリジナルの『知的生産の技術』を読んだ。市販のカードは梅棹先生とはなんも関係ないらしい。なんてこった。当たり前のことだがオリジナルの方が何倍も優れていて、Kindleに大量に線を引いて読んだ。原理原則を紹介しており、今も古びることのない名著。今年読んだ本の中でベスト10に入りそうだ)

5. ストレスフリーの整理術

1月17日から21日。1時間15分。

結構な厚みがあるがハウツー本なので飛ばし読みした。

『ライティングの哲学』で言及されていた「GTDメソッド」の提唱者、デビッド・アレンの著書。2009年の出版でKindle版はない。

この本をざっと読んで「気がかりなこと、やるべきこと」を全部紙に書き出し「見える化」したら「たったこれだけか」とわかって安心した。書き出してみると、中には「今やらなくてもいいな、もっと後でいい」こともわかったし、そもそもやらなくてもいいことも混在していることがわかって有益だった。

「Aの前にB、Cを先にやらないと、Aが実行できない」といった順番も、書くことで意識できるようになったし、億劫に感じるタスクは分解して「まずは〇〇をやって、次に……」とステップを書き出してみたらサクサクできるようになった。「2分でできることはすぐやる」というルールも有用だ。

GTDを取り入れることで生産性が上がって時間を有効に使えるようになった。派生本がいろいろあるが、まずは源流のデビッド・アレンを一冊読むべきだ。できるだけ薄い本がいい。

パートナーにやり方を教えたら、動画を参考にしてNotionと組み合わせ、自分でアレンジしてやっているらしい。彼は手書きするより、デジタルの方がいいと言っていた。


www.youtube.com

6. 繭、纏う(全6巻)

まゆ、まとう。1月21日から22日。文字が少ないため50分ほどで全部読めた。

洋子と華。2人の少女を主軸にした物語。高校3年生の「現在」から一旦時間を戻し、中学3年、高校1年、2年と時系列で物語が進んでいく。合間に別の少女たちのエピソードが挟み込まれるのではじめは複雑に感じたが、洋子と華だけにフォーカスすれば筋は比較的シンプルだ。

長く伸ばした髪を高校卒業前にばっさりと切り、彼女たちの髪はこれから入学する少女たちのための制服の材料として使われる。
髪を材料とする生地なんて、よほど密に織らなければ隙間ができて肌が透けそうだし、密に織れば重くなりそうで、あまり着心地がいいとも思えないが、そこはファンタジー。彼女たちの髪は絹糸のごとく繊細でつやめかしく美しいものとして描写されている。

最終巻では一応のハッピーエンドらしきものが示され、話はすっきり終わったようではあるけれども、結局華がなにをそんなに悩んでいたのか核心部分がよくわからなかったな〜。私が鈍いのか。

パートナーの蔵書だが、ずっと気になっていたので読み切ってスッキリした。

7. 「相続税、私が払うの?!」とあわてる前に子どもがやるべき相続準備の本

1月22日から23日。40分で読了。

これもずーっと前に買って積んであった本。やっと読めた。

相続について、教科書程度の知識しか持ち合わせていないので勉強になった。親とか祖父母とか自分に近い親戚のことはわかるけど、おじおばなんかはどうなるのか、実はよくわかってなかった。

結局、現金はいくらあっても困らないが、土地や有価証券は分けるとなったら大変だ。不動産だけはなるべく残さないように、父母の代でなんとかしてほしいと願うばかり。

 土地の測量、隣の土地との境界なんかは実家はどうなってるのか気になった。親が元気なうちに、確認してメモしておいたほうがよさそうだ。

8. 調べる技術

1月23日から26日。40分で読了。ハウツーなのである程度飛ばし読みした。

これもえむさんの蔵書。

文体にクセがあり読みづらかった。単に、未知の単語や固有名詞が多いからかもしれない。あとで必要になったらそこだけ拾い読みすればいいかと思って飛ばし読みした。

関連書として紹介されていた『レファレンスと図書館』こっちのほうが読みやすそうだ。

9. 藤子不二雄Aのブラックユーモア(黒イせぇるすまん)

1月28日より2日間。1時間10分ほどで読了。これもえむさんのコレクション。

前半は「はあ!?」とあっけに取られるような、どぎつい話が多い。後半こなれてきたのか、自分が慣れただけなのかおもしろく感じるようになってきた。

1969〜71年頃の作品。『ぶきみな五週間』のあたりが一番おもしろかったな。

10. 番外編 へうげもの(全25巻)

『へうげもの』と書いて「ひょうげもの」と読む。

同じ作者の『望郷太郎』を愛読しており、過去の作品も読んでみようと軽い気持ちでレンタルしたら、政治や人間関係が複雑で、文字は多いし、1冊読むのに30分もかかって「これは正月中に読み終わらないぞ」と焦った。

1月4日〜13日まで10日で読み通した。返却期限があるので後半大変だった。

戦国時代の武将、古田織部の生涯を膨大な考証とフィクションをまじえて描いた娯楽作品。「ひょうげもの」とは「ひょうきんもの」に近い意味であり、武士でありながら武勲を立てるよりおのれの美意識の赴くままに、美しいもの、おもしろいもの、おかしいものを求めた古田織部の生き様を描いている。

物語の冒頭部分では古田はひょうきんで軽薄な若者として描かれ、私にしてみれば尊敬できるところが少なく「うわ、これを25巻も読み通せるかな」と心配したが、だんだん人格が円熟して、自分の弱さを受け入れ、他人を思いやることができるようになってくると、個性が際立って、おもしろい人と感じるようになった。古田を見ながら自分の30代での成長を追体験するように読んだ。

戦国時代最大のミステリー「本能寺の変」について大胆な解釈で描いている。これ、私は今まで見た作品の中でもっともしっくりくる仮説だと感じた。黒人の武士、弥助のキャラクターも心に残った。

これも今年読んでよかったベスト10に入りそうな作品。