なにか新しいこと日記

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関東の最東端、銚子半島へ夕日を見に行く

私の実家は千葉県の内陸部にある。

最近、成田出身の友人が実家に戻っていると聞き「銚子のほうに散歩に行きませんか」とお誘いした。

彼女が「車出しますよ」と言ってくれたので厚意に甘え、成田から1時間30分のドライブとなった。大部分は「東総広域農道」という下道を通ったが、農道とは言っても広い走りやすい道だ。ただし、農業用の軽トラなどが多く通るため、前の車がのろのろ運転……ということは多かった。

銚子を訪れたのは30年ぶり。ほとんど記憶がないので、楽しみにしていた。

訪れたスポット ※国土地理院の地図をもとに作成

(1)利根川河岸公園

銚子の町は関東の東の突端、茨城県との県境にある。間を流れるのは「坂東太郎」こと利根川だ。地図で見るだにものすごく大きい川で、実際に訪れてみると海と見まごうぐらいにだだっ広く、驚かされた。

利根川

対岸に見えるのが茨城県だ。
この辺りは海からの風が強く、そこらじゅうに風力発電の風車が設置されている。

漁港の手前にある河岸公園。魚のうろこを模したタイルが貼られ、おしゃれな雰囲気だ。

利根川河岸公園

(2)シンボルロード(商店街)

銚子の商店街へ続く「シンボルロード」
国旗のマークは《国際信号旗》といって、一つの旗がアルファベット1文字を示す。

銚子駅通りシンボル

この並びはSYMBOLROADの前半をあらわしている。

ここから銚子駅へと続く商店街。歩道は広く、きれいに整備されている。

日曜日だと言うのに、ほとんど人がいなくてさびれた雰囲気だった。もったいないね!

(この次の週に「よさこい祭り」が予定されており、イベント時にはもっと人が集まるのだと思う。空いている日に来たのは、私にとっては良かった)

商店街

ドローンスクールがあった。友人いわく「うちの方にも最近ありますよ」

銚子ドローンスクール

たぶん、操縦と撮影の技術を教える専門のスクールなんじゃないかな。広い土地がないと練習できないだろうから、田舎の方ではいい商売なのかも。

(3)銚子駅

駅前には「日本初の修学旅行到達の地」の碑があった。

「日本初の修学旅行到達の地」碑文

1886年(明治19年)東京師範学校の生徒99人が徒歩にて東京を出発。習志野、佐倉、成田、佐原まで行って船に乗り、銚子に到着。ここまでで5日間もかかっている。昔の遠足は大変だね!

駅前にカフェがあったので、入ってコーヒーを飲んだ。本格的なコーヒーで美味しかった。

ぬれ煎餅のイシガミ&併設のカフェ

ここに来るまでにすでにお土産を買っていたので、ここのぬれせんは買わなかったんだけど、やっぱり買えば良かったな。

銚子駅。銚子鉄道の駅はどこにあるのか探してしまった。

逆光の銚子駅

実は、JRの駅の中に同居している。
(画面右側のモニターに案内が流れ、「きっぷは中でお買い求めください」といった表示が流れていた)

銚子駅改札

上から見た図。画面中央から奥が銚子電鉄の駅舎だ。(1時間に1本程度と本数が少ないので、今回はスケジュールの都合で利用しなかった)

銚子電鉄・銚子駅(上から見た図)

千葉県民でチーバ君を知らない者はいない。千葉県の地図を犬の横顔に見立てて作られたキャラクターだ。

千葉県のマスコット、チーバ君

てくてく歩いて、河岸公園の駐車場まで戻った。

ここは行きに買い物した土産物屋。店長おすすめの「銚子電鉄プレミアムぬれせん」を買った。(半ぬれせんといった具合で、しょうゆの味が濃く、美味しかった)

土産物屋

(4)飯沼観音

次は「今川焼きを買おう」という理由で飯沼観音へ。

(檀家用の駐車場のほかに参拝客用の駐車場も整備されている。)

五重塔

飯沼観音

5.4メートルの立派な大仏があった。建立は1711年。

大仏様(阿弥陀如来像)

第二次世界大戦中に機銃掃射を受けたそうで膝と背中に傷があった。ありがたく参拝する。

大仏様の裏には、明治時代に設置された水準原標石があった。

飯沼水準原標石

ただの四角い石のように見えるが……

ここを基点として「日本水位尺」が定められた。大事な場所らしい。

この後、本堂を参拝し、天井画の百観音も見学してきた。

(5)犬吠埼灯台

犬吠埼灯台

全国に16箇所ある「のぼれる灯台」のうちの一つだ。

2018年より、灯台150周年記念事業の一環としてスタンプラリーをやっている。(スタンプ帳買えば良かったな〜〜)

のぼれる灯台(16基)スタンプラリー | 「灯台のことなら」 公益社団法人 燈光会

言われてみると、30年前に灯台をのぼった記憶がよみがえってきた。なんといっても全国に16箇所しかないのだから、灯台をのぼった記憶はここでまちがいない。

灯台より

画面左、海の色がはっきり分かれている。これは潮流によるものなのか、海の深さのちがいなのか……。(『ブラタモリ』でも見ればわかるかも?)

すぐそばに「犬吠テラステラス」という道の駅みたいなのができており、大量の車が停まっていて、中で買い物したり海岸を散策している人も多いように見受けられた。

灯台自体は海上保安庁の施設であり、ここの入館料などで儲ける必要はなく、むしろ、周辺の商業施設が潤って地域が活性化することが重要だろう。灯台の中は狭いし、そんなに混んでいることもなく、周辺に人が分散して商業的に成功している様子だった。

ここの手すりは下まで素通しで見えるので、ちょっと怖かった。

灯台の敷地内には展示室が設けられ、資料を展示している。(こういうの、昔は全然興味なかったけど、今はしげしげと見るようになっちゃった)

犬吠埼のレンズと同等の巨大な一等レンズ。

一等レンズ(沖ノ島灯台で使用 1922〜2007)

「土台の回転装置と一体となった全容を見ることができるのは全国で当館のみです」と書いてある。なるほど、下に装置があって歯車が噛み合い、回転するようになっていた。

『ライトハウス』という2019年製作のカルト映画を見たとき、2人の灯台守が「重労働だ」と言って灯台の下でなにかをぐるぐる回していた。それがおそらく大昔は分銅を落としてどうのこうのという、人力でレンズを回していた頃の話だったんだろう。映画ではなんの説明もないから当時は意味がわからなかったが、今になって謎が解けた。

ライトハウス (字幕版)

ライトハウス (字幕版)

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古い霧笛舎があった。

霧笛舎

霧笛音響装置

ボタンを押すと霧笛の音が聞けるようになっている。

「思ってたんとちがう……」なんとなく悲しげなサイレンのような連続的な音であった。

以前読んだBLで「犬吠崎の灯台で霧笛を聞く」シーンがあって印象に残っていたのだが、レーダーなどの技術革新により、とっくの昔に廃止されたと聞いていたので、まさかここで霧笛の音を聞けると思っていなかった。感激した。

霧笛の装置が登場する前は、人力で鐘を鳴らしていたらしい。

霧鐘

この日の夜、実家に寄ったときにアルバムをめくったら、この鐘の前で家族で記念撮影した写真が出てきて、笑ってしまった。(チビの私は飽きてしまったのかそっぽを向いていた)
当時はこの青の色がもっと濃く、上に屋根かなんかあったみたいだ。

(6)屏風ケ浦

この日の最後。自然が作った奇景「屏風ケ浦」を見るべく、銚子半島南の海岸線へと向かった。

荒波に削られた断崖が銚子市から隣の旭市に向かって10kmも続く場所だ。

銚子方面では「マリーナ海水浴場に駐車して行くと便利」と聞いて向かったところ、ちょうど水平線に沈む夕陽が見られた。

銚子マリーナ海水浴場

崖の下は遊歩道になっている。日没時刻にここを見に行った。

つねに波に削られたせいで崖面には植物が生えず、地層の縞模様がはっきり見えるめずらしい場所だ。

屏風ケ浦

最上部は火山灰でできた関東ローム層。下のほうは310〜90万年前の古い地層が押し上げられて見えている。

人の手で掘られた穴

日没後の海岸。夕映が美しい。

この美しいサンセットを見られただけで、東京から3時間半もかけて銚子まで来たかいがあった。大大大満足だ。

長時間運転してくれた友人には厚くお礼を申し上げた。

ちなみに散歩としても結構歩いていて、この日は銚子だけで8000歩かせいだ。

訪れたスポット ※国土地理院の地図をもとに作成

終わりに

今回は車で出かけたため、効率よく名所をいくつもはしごできて良かったが、車がなくても、お天気さえよければレンタサイクルでまわったり、北端の長崎海水浴場から屏風ケ浦まで「ジオパーク」をゆっくり歩いて見るのもおもしろそうだ。

犬吠埼は、地軸の傾きによって「日本一早く初日の出が見られる場所」として有名だ。ただし水平線から太陽が見られるのは、晴天で水平線近くに雲がないなど、条件がそろわないと見られない貴重なものだそうだ。

【日の出鑑賞スポット】犬吠埼周辺、君ヶ浜しおさい公園、長崎海岸、海鹿島海岸〜黒生海岸、地球の丸く見える丘ふれあい広場

(参考:銚子市役所観光プロモーション室発行『観光ガイドブック銚子』第5版)

一方、水平線に沈む夕陽が見られるのは10月中旬から2月下旬までに限られる。

【夕陽鑑賞スポット】銚子マリーナ海水浴場〜屏風ケ浦遊歩道、地球の丸く見える丘展望館、愛宕山無料駐車場、銚子ポートタワー(夏季は日没前閉館)、千人塚〜夕日に映える広場〜第二漁港(夏季のみ)

(参考:銚子市役所観光プロモーション室発行『観光ガイドブック銚子』第5版)

朝日と夕陽、両方を楽しめる場所なので、次回は犬吠埼のあたりに宿を取って一泊してゆっくり過ごすのもいいな〜と思っている。まだ銚子電鉄にも乗っていないし「ジオパーク」の名所も、もっと訪れてみたい。

銚子ジオパーク 公式ホームページ


 


 

東京駅から「特急しおさい号」で1時間50分。高速バス「犬吠号」では2時間10分。

美しい夕陽や自然の景観を楽しみたい人におすすめの観光名所だ。