月に1〜2回、吉祥寺を訪れる。
2023年11月20日。色づき始めた井の頭公園を『散歩の達人』を片手に歩いた。
(1)出発地:吉祥寺サンロード商店街
平日の商店街の雰囲気が好きだ。
駅前の書店が姿を消す時代。吉祥寺のサンロードでは古書店にいつも人がいて、何人か立ち読みしている。
せっかくなので私も1冊買った。
(吉祥寺には何軒か古書店があり、コロナ前はちょくちょくえむさんと来ていた。コロナ禍でその習慣も絶えて電子に移行しちゃったんだけど。未だに実用書だけは紙で買う。)
商店街の出入口付近に案内所を見つけた。駅前のUFJ銀行のすぐそばにある。
最近街歩きが好きになり、こういうところに目が止まるようになった。
(2)吉祥寺駅
吉祥寺駅はでっかいアトレが一体になっているというぐらいで、外見上の特徴に乏しい駅だ。
「南北自由通路」の北側は《壁面緑化》されている。このスタイル、10年ぐらい前に流行ったもので、例えば、東京駅八重洲口の2階デッキや京橋江戸グランがこの形式だ。調べてみると、ここの通路は2014年にリニューアルしたらしいので当時からこの形式なんじゃないかな〜。
美観を保つために相当メンテの費用がかかっているはず。贅沢な演出だ。
南口に出て久しぶりにバサラブックスを見に行ったら、定休日だった。
忘れてたわ。吉祥寺に来るのは月曜日が多いんで、行かないんだった……。
(3)七井橋通り
バサラブックスの先、角を曲がり、鋭角な三角形の土地を折り返してマルイまで来ると案内板が出ていた。
(吉祥寺って北口にはロフト、コピス、京急、パルコ、南口には京王、マルイ、東急。狭い範囲に大型の商業施設が密集しており、どこになにがあるかてんで覚えられなかったが、しょっちゅう来るようになったら、さすがに少しは覚えた)
マルイの横の通り(=七井橋通り)は古着屋と飲食店、特にコーヒーショップが多い。
テラスハウス(長屋)風の建物がそろって改装工事をやっていて、目を引いた。
2階は住居で人が住んでいるふうだから、昔からある建物を大々的に改装してきれいにしたのかもね。なにが入るんだろう?
通りにはドトール、猿田彦、スターバックスが揃っている。お好みでどうぞ!
猿田彦のお隣はタピオカ専門店。ブームになる前からあるチェーン店だそうだ。
(4)井の頭公園
階段を下りると、早くも黄金色に色づいた景色が見えて、わくわくした。
夕暮れ前のひととき。
木陰の散歩道と、日向で照り輝く紅葉。光と影のコントラストが美しい。
葦(?)が密生している。パークサイドにマンションが建っているのはどこにでもありがちな景色だ。
杭にカワウが整列していた。彼ら、群れで行動するタイプかな。
七井橋のたもと(南側)に営巣しているらしく、人に糞がかからないようにわざわざテントを張り、注意書きがしてあった。随分、親切だ。
今回のベストショット。水面に金色の虹がかかっている。
この日の最高気温は20°C。もうちょっと早い時間帯に来ていれば、ベンチでコーヒー飲みながら読書でもしたい気分だ。(来年はそうしよう)
ピアノの形した像には「ちいさい秋みつけた」の楽譜が。
弁財天と言えば……諸星大二郎先生の『栞と紙魚子』に登場していたっけ。
あの話は、明らかに井の頭町界隈をモデルにしている。
「井の頭公園案内所」なんてのがわざわざ設けられているのにはびっくりした。散策しがいのある公園だもんね!
今回初めて秋に訪れて、井の頭公園のことが大好きになった。私は春より、秋の景色のほうが好きだな〜。また別の季節にも来てみたい。
この先、公園を貫く「吉祥寺通り」に出て三鷹駅方面へと向かった。
(5)吉祥寺通り
「井の頭文化園」「彫刻園」は一度も来たことがない。残念ながら月曜日に来ることが多いので、どこも休みなのだ。
西に向かって歩くので逆光になる。このショットは反対を向いて撮った。
萬助橋は玉川上水との交差点にあたる。
このルートは5年前にもえむさんと通っており、景色に大きな変化はなかった。
交差点から南方向に300m行くとジブリ美術館だそうだ。
(6)風の散歩道(玉川上水)
玉川上水は「枯れているのか?」と思えるほど、鬱蒼として水面が見えない。
木がないところからのぞくと、かろうじてちょろちょろ流れているのがわかる。これも5年前と変わらない。
「むらさき橋」というのはかつて一面に咲きほこっていた「むらさき草」から取った名だという。むらさき草は冷涼な気候を好むため、温暖化で見られなくなって今や絶滅危惧種となっている。
玉鹿石。なんの案内も書いてないが、この辺りが太宰治が入水した地点に当たる。
5年前の夏、えむさんと来た日は暑くてつらかった……。あの夏はえむさんが失業してたから、2人でいろんなところに出かけたよね。
(7)到着地:三鷹駅
三鷹駅前の広場に「国指定史跡 玉川上水」の案内板があった。
玉川上水は江戸時代に作った堀で、多摩川の上流(現在の羽村市あたり)から取水して自然の傾斜で水を流し、新宿区四谷まで水道を供給していた名残だ。1960年代にその役割を終えると水を止め、空堀になっていたが、1986年東京都の清流復活事業によりまた新たに水を流すようになり、2003年国の史跡として指定された。
現在は雑草が繁茂して水面が見えないほどになっているが、2023年12月〜翌年2月にかけて保全作業が予定されているそうだ。伐採されたら少しはきれいになるのかもしれない。(それとも毎年ルーティンでやってるのかな?)
駅前にまた橋があった。
ちょっと待って。
ここって線路が交差してるけど、駅の反対側はどうなってるの!?
ということで寄り道した。
北口。駅の隣に花屋があって、そのすぐ横に公園とも言えない小さな公園みたいな空間があった。
うわっ、ここ、好きだな〜〜!! 暗いけど!
(写真はなにも加工していないが、実際はもっと暗く感じた)
このへんはチョロチョロではなく、もう少し勢いよく水が流れている。
駅の下は暗渠ってことだろうな……。
この先がどうなっているのか、くわしく知りたい!
駅と花屋の間をよく見ると、あやしげな階段があった。この階段は、もしや地下に続いているのでは……。
散歩はここまで。
今回はほとんど『散歩の達人』にしたがって歩いた。
玉川上水の上流も気になるので、三鷹駅はいずれ、また!
【前回の東京散歩】