なにか新しいこと日記

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【東京散歩】お江戸の名所、千駄ヶ谷富士にのぼった

私がせっせと散歩している様子を見て、パートナーのえむさんが書棚から「こんなのあるよ」と紹介してくれた。

時層をさかのぼって東京を探検するというテーマが最近読んでおもしろかった『ちづかマップ』と共通している。いいね!

「最近よく行ってるのって、千駄ヶ谷じゃない?」「うん」「『千駄ヶ谷富士』っていうのが載ってるぞ」と教えられ、さっそく本を片手に訪ねていった。

出発地:千駄ヶ谷駅

千駄ヶ谷の駅は2020年東京オリンピックの開催に合わせてリニューアルされた新しい駅だ。

国立競技場を意識したデザイン(?)

トイレも新しく使いやすそう。トイレは超重要だ!(最近改装した主要駅はどこもこんな感じ)

千駄ヶ谷駅

時刻は16時。日没間近。

南口を出ると左手に東京体育館、右手に津田塾大学のキャンパスがある。

駅前

そのまま直進するとY字路になっていて、突き当たりに『モスプレミアム』の看板が。

東京体育館前の交差点(Y字路)

モスバーガーの新業態。13種類のグルメハンバーガーと8種類のクラフトビールが楽しめる。今のところ千駄ヶ谷と桜木町、2店舗しかないようだ。(2023年11月現在)

モスプレミアム -グルメバーガーとクラフトビールが楽しめる-

今度入ってみたい!

こういう交差点の角って人が入りにくく、店を作ってもはやらないことが多い。エントランスの作り方が難しいと思うのだが、ここは見事なデザインだ。角を削って建物自体にカーブを作り、間口を広くしている。開放的で、入りやすい雰囲気がいいね!

さらに直進すると五叉路になっていた。(新井薬師の辺りもこんなふうになっていた記憶がある。古い門前町にありがちなんだろうか)

鳩森八幡神社前の交差点(五叉路)

千駄ヶ谷富士を訪ねて……

目的地は千駄ヶ谷駅から徒歩5分、鳩森八幡神社の境内にある。

来歴

江戸時代、富士山を信仰する「富士講」が爆発的に流行り、関東一円に富士山を模したミニチュア版の「富士塚」が作られた。多くの人が訪れ擬似登山を楽しんだが、大正時代以降急速に衰退していった。

記録に伝わる中で一番古いものが、早稲田大学に隣接した高田稲荷の境内にあった「高田富士」続いて作られたのが「千駄ヶ谷富士」である。

裾野の外周が35メートル、南北10メートル、高さは約5メートル。この後、各地に作られた富士塚も大体このぐらいの規模だったそうだ。(『東京時層探検』より)

 

鳥居をくぐるとすぐにそれらしき小山が見えてきた。盛り上げた土の表面に本物の富士山から運んだ黒い溶岩で固めた山だ。(かつてはこちらにも登山口があったようだが、現在では安全のため封鎖されている。富士塚の北側には「甲賀稲荷社」の鳥居と社があった)

いざ、登頂

富士塚に沿って南へ回ると立派な鳥居と狛犬が鎮座していた。こちらが登山口だ。

千駄ヶ谷富士 登山口

参拝客が安全に登れるよう案内板を設け、一方通行にして上り・下りでルートを分けている。たった5mでも、実際の山のようにぐるぐるまわって登っていくのはおもしろい。ゴツゴツした岩肌をよじのぼるようにして行く険しい道もあった。
脱げやすいサンダル等を履いていくのは危険だ。幼児や、足腰に自信のない人もやめたほうがいい。

山頂にある奥宮には御神酒が捧げられていた。

奥宮

境内を見渡した。静かで気持ちのいい場所だ。木々はわずかに色づいている。

山頂より

下りもなかなかに急なところがあった。高所恐怖症の人は連れていけない。(えむさんのことだ)
塀の外のさらに低い道を通行人が過ぎるのが見え、私でも怖いと感じた。

下山道

境内の様子

富士塚のそばに井戸があるのが気になった。「関係者以外使用禁止」と書いてあり、立ち入りできないように柵で囲われている。

ふもとの井戸

この井戸は2023年9月、4年ぶりに開かれた例大祭で神様に捧げる水を汲み上げる目的で掘られた新しい井戸だそうだ。井戸掘りの様子は10月1日にサンドウィッチマンの番組で放送されたらしい。(見たかった!)

どうやら、新しく作られたばかりでなにも整備されていない仮囲いの状態のよう。

 

境内には舞台らしきものがあり、周囲にいくつもベンチがあって人々が憩っていた。

能楽殿

ここでは5月に薪能が行われたそうだ。写真を見る限りでは、夕刻から舞台の外で松明を燃やし、進行と共にだんだん外も暗くなっていった様子だ。

主な年中行事|鳩森八幡神社│公式ホームページ|渋谷│千駄ヶ谷|富士塚│結婚式|お守り

おもしろそう! 初めて能に興味を持った。

9月の例大祭のときにも恒例で献能しているらしい。(国立能楽堂が近いからかと思ったが、神事能って一般的にどこでもやるものなんだろうか?)

神宮前2丁目を通る

鳩森八幡を出ると、バスの通る小さな通りを南へ。「神宮前二丁目」交差点で左折した。

この道に謎のトンネル(千駄ヶ谷トンネル)がある。

千駄ヶ谷トンネル

「一体なんのために」と調べたら、この上は仙寿院の墓地があり、1964年東京オリンピックの開催にあたって墓を一時移転し山を崩してトンネルを作り、道路が開通した後で墓を元の場所に戻したのだそうだ。

トンネルに向かってカメラを構えると、その間に電動キックボードが高速でよぎっていった。都心部では最近よく見かける光景だ。

トンネルを通り抜け「仙寿院」の交差点に来ると、ビクターの巨大スタジオがそびえる。

ビクタースタジオ

窓がなく、威圧感がすごい。ここまでゆっくり散策して30分だった。

国立競技場の夜景

用事を終え、時刻は18時。ここからは国立競技場の夜景を紹介する。

さきほどの「仙寿院」交差点、ビクタースタジオの向かい側がこんな感じだ。

仙寿院交差点

国立競技場に向かって陸橋がかかっている。

陸橋

橋に上がってみたところ、競技場の南に広い公園を建設中であった。白い囲いでずーっと覆われている。(一部はすでに開放されているようで、人の姿が見えた)

明治公園(建設中)

明治公園といって2024年にオープンするようだ。

ちょうど、マップの右下「現在地」のあたりに立って南側を見渡している格好だ。人が見えるのは「インクルーシブ広場」ってやつだろうか。

明治公園マップ

スマホのカメラなのでそんなにいい写真でもないが載せておく。

こういう巨大建築の夜景って好きだな〜!

国立競技場の夜景

前の週にはここでルヴァンカップの決勝戦をやっていて、昼間、大歓声が聞こえた。

夜は人も少なく、静かなものだ。1人で歩いても楽しい。いい気分だ。

 

国立競技場の西側を半周して駅へと向かった。

西(代々木方面)に見えるのはど派手なライティングでおなじみ、ドコモビル。

ドコモビル

高校時代の同級生がここで働いていて、先日、高層からの見事な夕焼けを撮影して送ってくれた。
(そうか〜私は高層ビルでなんか一生働きたくないけど、ここで働いている人は毎日美しい日没の景色が見られるんだろうな〜と、別の人生にしばし思いを馳せた)

いつのまにか、自分が思っているより歩いてきていた。位置としては国立競技場の真北。正面にウエハースみたいな構造のスクエアの建物が見える。

これは『三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア』だそうだ。

三井ガーデンホテル 神宮外苑

「さぞお高いんでしょう」と思ったが時期や部屋によるみたい。私でも泊まろうと思えば泊まれる。ここいいね、駅から近いし。山手線の代々木駅からも1kmと近い。

このポイントからスロープを下ったところにメトロ大江戸線 国立競技場駅のA2出口があり、この日の散歩は終了した。

国立競技場駅

国立競技場駅

地方から来る人のために一応記しておくと、東京メトロ大江戸線は都内にあまたある地下鉄の中でも一番最後のほうにできた路線だ。そのため、どの駅でも想像より長く歩かされる。地下4階まで潜らされるのなんて、ごく当たり前だ。他の路線と比べて移動時間が長いことを覚えておかなくてはならない。

エスカレーターでは光の演出があった。反対側からライトを当てて反射を利用している。ライトの色は全部緑に見えたけど、どうやってグラデーションにしてるんだろう?

おしまい。

散歩ルート※国土地理院の地図をもとに作成

行きは千駄ヶ谷から20分、帰りは国立競技場周辺を10分歩いただけ。歩数は6000歩程度だ。

終わりに

いつもうろうろしているエリアでも、一本横道にそれると新たな発見がある。

私は目も良くないしカメラもないので、夜景なんか見に行ってもつまんないと思い込んでいたが、適度にライティングされている建築物を目標にすると、十分楽しめることがわかった。

『東京時層探検』『ちづかマップ』では気になるスポットがいくつも見つけたため、用事にかこつけて、ぼちぼち訪れてみたい。

 

【前回の東京散歩】

something-new.hatenablog.com

 

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