なにか新しいこと日記

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【東京散歩】四谷三丁目散歩、消防博物館を見学した

パートナーのえむさんが「見たい展覧会がある」というので平日午後休を取って、四谷に出かけた。ついでに消防博物館を見学し、ディスクユニオンへレコードを見に行ってきた。2人して10000歩歩いた。

これはそんなある日、2023年10月26日の散歩の記録である。

散歩ルート(赤は地下鉄移動)※国土地理院の地図をもとに作成

出発地: 信濃町駅(1)

信濃町はこの前来たばかり。今回は駅の北側から出発だ。

駅前の目立つ建物は「信濃町煉瓦館」といって慶應大学の敷地に建つデザイナーズマンションだ。オフィス部分と住居に分かれ、看板を見る限りではNTTデータ数理システム、あとは医療関係の会社などが入居していた。
なぜ駅前のこんな目立つ場所にビルを建てて人に貸すことにしたのか? 大学側の意図が謎だ。

奥には大学病院と医学部、看護医療学部、薬学部のためのキャンパスがある。

信濃町煉瓦館

 

煉瓦館の向かい側(東)には「創価学会本部別館」

創価学会本部別館

煉瓦館の並び(北)には「民音音楽博物館」というのがあって、ここも創価学会の運営だそうだ。そのさらに隣が「総本部」だったらしいが気づかず通り過ぎてしまった。この界隈にはそこらじゅうに教団の関係施設がある。
近所の書店やコンビニにはさりげなく、青・黄・赤の三色を使用した掲示物が貼られ、関係を匂わせていた。私は事前にえむさんからレクチャーされたので気がついたが、そうと知らなければ見逃しそうだ。

信濃町〜四谷三丁目を歩く

住宅地に入り、ギャラリーに向かって最短ルートを進んだ。つたの絡まる洋風の建物の前に立看板が出ている。ここが目的地のアートコンプレックスセンター(2)だ。同時にいくつもの小規模の催しを開けるアートスペースになっている。

アートコンプレックスセンター(新宿区大京町)

係の人に近づいていくと「本日分の整理券は配布が終わってしまい、フリー入場は17時からになります」と言われた。はあ、そうですか。

「整理券なんて、どこに書いてあったの?」
「どこにも書いてないぞ。ひどいな!」
「ひどいね」

思うに、整理券なんて元々予定していなかったけど、狭い会場に大量の客がどっと詰めかけ、おそれをなして急遽配ることにしたんだろう。
えむさんは怒っていたが、私は即気持ちを切り替え「この辺で2時間潰して、また戻ってくればいいよ」と提案した。疲れたら、そのまま帰ってもいい。

とりあえずコーヒーを飲みたかったので、四谷三丁目の駅に行き、目についた「オスロコーヒー」に飛び込んだ。

オスロコーヒー

 

新宿だとサブナード(地下街)の中に入っているらしい。小規模のチェーンだ。コーヒーも美味しかったし、なにげに注文したマロンコロネがサクサクで美味だった。気に入った。店内は商談している人ばかりでうるさかったけどね!

iPadの地図を見ながら、この後のプランを考えた。もともと、ギャラリーを見た後で立ち寄るつもりだった場所に先に行くだけだ。たいした変更ではない。

消防博物館(3)を見学

消防博物館

消防博物館は四谷三丁目の駅直結の建物にあり、駅を利用するたびに気になっていた。ちなみに、2階には現役の四谷消防署が入っている。(この階は見学不可)

エントランスに入ると、ヘリがドーン!! かっこいいね。

お子様連れで来ているグループが多かった。受付にいた係のおじさまはどうも人を見て説明を変えているようで、子連れのグループにはお子様が楽しめそうなフロア(3階)を重点的に説明し、われわれ大人だけのグループには「5階に、古いものですがこれと同じようなヘリがあって、操縦席に座れるようになっています。ぜひ乗ってみてください」とおすすめを教えてくれた。こういう対応、親切でうれしいね!

まずは地下1階に降りて、古い消防車を見物した。昔の車両はオープンカーみたいになっていて荷台も剥き出し。機動性重視ということか。荷台にも何人か乗り、現場に着くと一斉に飛び出して行ったのだろう。

アーレン・フォックス消防自動車(1924〜1946活動)

めずらしいところでは遠隔操作する小型の消火装置があった。電話線などのケーブルトンネルや地下の火災現場で活躍したらしい。

ジェットファイター(1989〜2004活動)

その後、5階を見学した。江戸時代の火消文化を紹介している。私はここのゾーンが一番おもしろかったな!
(屋外にはヘリがあって、すすめられた通り操縦席に乗り、記念撮影した。夕方は逆光になるのでここは午前中のほうがいいかも)

江戸時代のジオラマ

ちょうどマンガ(『銀太郎さんお頼み申す』)で火消しの旗印にあたる「まとい」がどういうものか紹介したエピソードを読んだばかり。

『銀太郎さんお頼み申す』2巻 東村アキコ・著より

東京には江戸時代の火消し文化を保存する会(江戸消防記念会)があって、毎年1月6日に東京消防庁のイベントで「はしご乗り」を披露するそうだ。マンガに出てくる「火消しのお頭」という人物は特に説明がないが、この保存会のメンバーだろう。お頭は、

纏持ちは刺し子の分厚い半纏を着てさ
それを水でびしょびしょに濡らしてこのヒラヒラの中で火の粉よけながらじっと耐えるわけ!
これは飾りじゃなくって防火カーテンなんだよ
火事のギリギリんとこに立つわけだから

と言う。

ほんの2〜3ページしか登場しないんだけど、印象深い。素敵なエピソードだった。(お頭が好人物というだけではなくて、お頭と銀太郎さん、2人の人物の間で思い出が醸成される。このマンガは、そういう人間同士のちょっとしたドラマがすごくいいんだよね)

刺子の半纏(はんてん)の実物も展示されていて、興奮した!

刺子半纏(表側)

刺子半纏(裏側)

分厚い木綿に「刺子」といって刺繍がしてあるブルーの面が表側。

裏側にはめいめいに縁起物の柄を入れたそうで、展示されていたのは鞍馬山で烏天狗を相手に修行をする牛若丸の絵柄と、蜘蛛の巣に疫鬼退散の神虫を描いた絵柄。あとなぜか碁盤が描いてある。こちらが裏面だそうだ。裏にこんなド派手な絵柄が入ってるなんて、粋だよね。かっこいい!

江戸中のまといを復元して飾ってあるコーナーも圧巻だった。

深川16組といろは48組の「まとい」

たぶん、東村先生も過去にお子さんを連れてここを見に来たんじゃないか。この展示にインスパイアされて「まとい」のエピソードを描いたんじゃないかな〜。(東村先生の息子さんが小学生だったのって10年ぐらい前の話なので、それだけ長い年月が経ってから、エピソードとして昇華しマンガに描かれたとしたらすごいな〜と思った)

ここの歴史のゾーンは勉強になったし、火事や火消しを描いた浮世絵のレプリカなども数多く展示され、美術面でも見応えがあった。

4階の明治〜昭和までのところも良かったが、3階の「現代の消防」だけは展示内容の古さが目についた。半分はお子様向けの体験コーナーだからいいとして、もしかして1992年の開館当初から展示物ってほとんど変えていないのかも。歴史的な展示についてはそれでよいが「現在」のパートだけは中身を更新したほうがいい。10階ラウンジの廊下にあった展示やラウンジ内にあったクイズのパネルは新しく、興味を持てる内容だったので……。

 

全体として、万人におすすめできるすばらしい博物館だった。しかも入館無料!

えむさんは興味がないんじゃないかと心配したが、こどもの頃にミニカーを集める趣味があったらしく、古い車両などが見られて良かったそうだ。意外と、熱心に見学していた。

地下で火災にあったら?という不安

忘れちゃいけない、地下1階の展示にあった「地下空間で火災にあったら」「地震にあったら」「地下鉄で火災にあったら」というパネルもすごく良かった!

私が地下や地下鉄を苦手とする理由として「火事や災害にあったらどうしよう、逃げ場を失うのでは」という不安がある。同じように考える人は多いのだろう。

この後、地下鉄の四谷三丁目駅を利用したが、そこにも同じような説明書きのパネルがあった。これで100パーセント不安が解消されたわけではないが、少し、気がラクになった。

ディスクユニオン新宿(4)へ

この後地下へ潜り、2駅離れた新宿三丁目へ。(体力温存のために地下鉄を使ったが、疲れた体に階段ののぼり降りが地味に辛かった)

マルイの裏手に『ディスクユニオン新宿』がある。

ディスクユニオン新宿

新宿に『ディスクユニオン』は4店舗あって、ほかは中古センター、クラシック館、シネマ館&ブックユニオンだそうだ。

レコードなんか興味ないし場所を取るばかりで迷惑なのだが、パートナーの趣味を尊重し、全然出かけない彼を出かけさせることを主目的として私も付き合っている。
えむさんが会計している間、退屈しのぎにレコードのジャケットを再現した刺繍アートのコーナーを見ていたら、芸が細かく感心した。

刺繍アート

『女になって出直せよ』ってすごいタイトルだ!(フェミニストとしては、もちろん、そういう言い方はしゃくにさわるけど!)

目的地:ふたたびアートコンプレックスへ

地下鉄の階段を上り下りするのに疲れ、四谷三丁目駅に戻るときは都営バスを利用した。早速、この前の経験が役に立っている。

something-new.hatenablog.com

伊勢丹の前から「品97」に乗車すれば四谷三丁目や信濃町を通るわけで、たぶん、間にもう一つぐらい停留所があるんじゃないか。見当をつけてマップを開くと、まさに「左門町」の停留所があった。ここで降りるとちょうどいい。

訪れたギャラリー:The Artcomplex Center of Tokyo

17時過ぎにもう一度ギャラリーを訪れ、やっと中に入ることができた。

ここからのイベント運営が最悪だった。狭い空間に大勢の人が詰めかけ「こちらに一列に並んでください」とわけもわからず部屋の中に並ばされそうになり、恐怖を感じた。こんな狭いところに押し込められ、いつまでともわからず拘束されるのには耐えられそうにない。私は廊下に出て、えむさんの用が終わるまで待っていた。
ストレスでだんだん頭痛がしてきた。

ギャラリーの人が悪いわけではない。普段は訪れる人の少ないこじんまりとしたギャラリーなのだ。そんな狭いところで、1日に千人も客を呼べるようなイラストレーターが個展をやろうとしたのがまちがいだ。

事実、最終日は午前中で整理券を配り終え、それに間に合わなかった人は展示を見られなかったらしい。「十分な数量をご用意しています」と予告した画集も途中で売り切れ。つまり「想像した以上の人が来た、そんな人数は想定していなかった」ということのようだ。そんなのは、もう、しょうがないよね!

 

帰宅後、頭痛がひどくなり、なんとか食事の用意をして食べ終わった頃にはガンガン割れるようになり、横になっても治らず、自分史上最悪の頭痛を経験した。右目の奥がじんじんして、気持ち悪かった。

2日経ってもうっすら頭痛を引きずっていたから、えむさんには盛大に当たり散らした。(ちなみに、えむさんは列に並ばされたときはカッカと怒っていたが、作品を見終わるとすっかり心を洗われ、クソみたいな運営をゆるせる気持ちになっていたそうだ。良かったね!)

今回のことでは自分がどういう状況がだめで、強いストレスを感じるのかよくわかった。

 

【前回の散歩】

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