なにか新しいこと日記

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【大人の社会科見学】埼玉県にある首都圏外郭放水路と鉄道博物館に行ってきた

首都圏外郭放水路の存在を知ってから、ずっと見学に行きたいと思っていた。

こういうのは「だれか誘って行こう」なんて思っていると、いつまで経っても行けない。割り切って一人で行くことにしたら予約もすぐに取れ、自分の都合でサクサク行動できて快適だった。

ダム、橋、港ほか、インフラ施設を見学する「インフラツーリズム」という言葉があって、国土交通省がポータルサイトまで作ってPRしている。「大人の社会見学」の中で私がもっとも興味がある分野がこれだ。

今回は春日部市郊外にある首都圏外郭放水路を見学し、すぐに大宮まで戻って鉄道博物館を見てきた。両方とも長い間気になっていた場所で、やっと行けて良かった。この記事では私なりの感想と行動ルートを紹介する。

首都圏外郭放水路とは

首都圏外郭放水路は大雨が降ったときに、埼玉県内の五河川から水を集め、地下の巨大水槽に一時溜めて水勢を弱めた上で少しずつ江戸川に排水する仕組みだ。

洪水を防ぐための施設として「防災地下神殿」のあだ名で呼ばれ、稼働しない日には事前申し込みによる見学会が数多く開かれている。

稼働は年7回程度。直近では2023年9月8日に第二、第三立坑から取水し稼働したそうだ。

公式サイト:首都圏外郭放水路

念のため防水靴を履いていったが、台風シーズンも終わり、人の手で泥をかき出して掃除されていたため、そこまでの心配はなかった。

防災地下神殿までの徒歩ルート(例)

大宮から東武野田線(通称:東武アーバンパークライン)乗車31分で南桜井駅に到着する。

ちなみに、この「アーバンパークライン」という名称、全然浸透していないらしく、私も初めて聞いたとき「なんのこっちゃ」と思った。しかし、東武鉄道は頑なに押し通したいらしく、公式はもちろん、乗換案内も全部この名称に統一されている。

南桜井駅(北口)

私は歩数をかせぐために駅から徒歩で行った。施設の案内図によれば徒歩40分。私の足で25〜30分かかった。

駅前にはデカいヤオコーがあり、多くの車が停まっていた。うーん、この雰囲気。実家の周辺地域にそっくりだ。

小学校の外側をぐるっと歩いて、住宅街に入り込んだ。

桜川小学校

細い道をしばらく行くと国道16号線に行き当たり、交差点に鉄塔が見える。近くにNTT東日本の電話交換所があるのでそこの設備だろう。

国道16号の交差点

道なりに行くと、目印になる「清水鉄砲店」がある。月曜は定休日のため、シャッターが中途半端に下りていた。

清水鉄砲火薬店

このあたりは農家が多いようで、庭が広く、どの家にもそろって柿の木が実をつけていた。この鉄砲店にも写真の通りだ。

鉄砲店を通り過ぎ、次の丁字路を左折すると用水路に行き当たる。

金野井用水路

私はここの水路の脇道を通るルートをあえて選んだ。少し行くと水路が二股に分かれ、名もなき細い水路に沿ってさらに進んでいく。つまりは畦道。

名もなき水路の脇の道

この景色も、実家の裏の田園地帯にそっくりだ。

田園風景

こんな畦道を好き好んで通るのは私だけかと思ったら、公式の案内図もどうやらバス通りから合流して、結局はここの道を通るのかもしれない(目印もなんにもない線がただ描かれているだけだから確証はない)

車道と合流する三叉路に案内板が出ているのを見て、ほっとした。

案内板

入口のところでほかのグループに出会った。

入口

坂をのぼりながら、おばさま方が「受付はどこですればいいの」「龍Q館は月曜は休館だけど、入れるのかしら」とワイワイやっていた。どうせおんなじところに行くのだからと思い、「私も今調べたんですけど、受付は龍Q館ってところでいいみたいです」と教えて差し上げた。

木々の間を抜けると広大な原っぱが……。(この下が巨大地下水槽だ)

原っぱ

丘の上にある建物が「排水機場」といって、地下からポンプを組み上げる設備を備えている。

排水機場・地底体感ミュージアム龍Q館

南側からの写真しか撮らなかったが、建物の西側に見学者用の玄関があった。

以上がこの日の散歩ルートだ。

「地下神殿コース」見学コース(55分)

タイムスケジュール

  1. 集合場所で全体図を見ながら、10分ほど解説を聞く
  2. 建物を出て、地下神殿の入り口へ向かう
  3. 一列になって階段を下りる(人数チェック)
  4. 地下でもまた10分ほど説明を受ける(立ち入り禁止場所の説明あり)
  5. 15分ほど自由に見学、写真撮影タイム
  6. 集合
  7. 一列になって階段を上がる(人数チェック)
  8. 地上にて解散

写真と感想

階段内は撮影禁止だ。荷物の中にスマホをしまい、前の人に続いてゆっくり階段を下りた。地下の温度は20°C。地上と比べひんやりしている。

階段

地下水槽が外からの圧力で浮き上がらないように支える巨大な59本の柱。この威容が「地下神殿」というあだ名の由来になっている。

天井を見上げると、一箇所外の光が漏れているところがあった。

地上に通じる穴があって普段はふたをかぶせており、年に一度ここからブルドーザーを吊り下ろして溜まった泥をかき出し掃除するのだそうだ。

天井のすきま

施設が稼働した後は床に泥が溜まるが、その後、見学者が入るエリアはわざわざ人の手で掃除しているそうだ。おかげでわれわれは靴を汚すこともなく、安全に見学することができた。この日は、このように浅い水たまりがあるぐらい。

水たまり

(冬〜春にかけては比較的広い範囲を見学できると思う。台風シーズン、稼働した直後は泥も多く残っているだろうし、見学範囲が狭められるはず)

見学エリアの外、ロープが張られた向こう側にはこのように泥が残っていた。

階段に近い方、排水機場に近い方面には「第一立坑」があり、ここは直接川からの取水を行っていない。

第一立坑

手前側にロープが張ってあり、立ち入らないよう注意を受けた。2枚目の写真に写っているのは「車止め」だ。ブルドーザーが立坑内に落ちないように、穴を囲むようにぐるっと突き出している。

(「首都圏外郭放水路」には4つの見学コースがあり、この「第一立坑」の途中まで下りていくコースも存在する。私はいたく興味をそそられ「次はここをのぞいてみたいな〜」と思った)

見学の終わりのほうになって、案内係の人が「水たまりに柱が映っているところを撮影するといいですよ」と教えてくれた。

おもしろ〜い!
この日は10数人で来ている研究者風の団体客もいて、全員で集合して撮っていたみたいだ。

私は「自分が写真に写りたい」という願望がないので、人は撮らずにひたすら景色だけを撮って終わった。あ〜おもしろかった!

安全管理を考えたら、見学者なんか入れない方がラクに決まっている。だれか一人でもルールを破る人がいて、事故でも起こしたら、このようなすばらしい見学の機会はなくなってしまうかもしれない。今回無事に見学できてよかった。関係者のみなさまに感謝を申し上げたい。

帰りの階段では息が切れている人が多かったが、私は最近よく歩いているので平気だった。ももの力が少しは強くなっているのかも。

大宮駅からニューシャトルに乗車

見学を終えると、元来た道をひたすら歩いて帰った。大宮駅まで30分かけて戻り、東口の東武線の乗り場から反対側、西口にあるニューシャトルの乗り場へと向かう。

途中「さいたま私立漫画会館」で開催中の『魔夜峰央原画展』のポスターがあって「うわ、これ見たかったなあ!」と思った。

さいたま市/企画漫画展 画業50周年記念 魔夜峰央原画展~パタリロ!ラシャーヌ!翔んで埼玉!!(9/9~11/26開催)

これをもし先に知っていれば、東武「大宮公園」で途中下車して寄ってくるのでも良かったなあ。「大宮公園」の駅から500m西に歩けば「鉄道博物館」に至ることも、地図を見て知っていたので……。(だけど、知らなかったので大宮駅まで戻って、ニューシャトルに乗るほうを選んだわけ。)

ルミネの間を通る通路が「てっぱく通り」と名前を付けられていて、わかりやすかった。

てっぱく通り

ニューシャトルはこんな感じだ。

ニューシャトル

車両の形はモノレールと同じような感じに見えるが、レールが出っ張っていないところがモノレールとは全然違う。車体の下にはゴムのタイヤが付いているそうだ。線路に電流が流れており、「危険!!線路におりないでください」と警告文がある。

線路は狭く側壁もないのでジェットコースターのように景色が間近に迫り、ヒヤッとした。これ、高所恐怖症の人はこわいだろうな!

鉄道博物館駅からの眺めはこんな感じだ。新幹線の高架下を線路が通る。

鉄道博物館駅より

鉄道博物館を見学

駅を下りるとすぐにエントランス。気持ちが高揚する。
ここのエリアは昔の駅の構内を模したものだろうか。駅放送が流れていたりしておもしろかった。

てっぱくエントランス

時刻は3時。昼食を食べていないのでお腹が空いてきた。

4階のビューレストランに行くか、2階のトレインレストランに行くか迷った。2階のレストランは「贅沢なお食事」とフロアガイドに書いてある通りお高めだ。洋食中心、雰囲気もいいし、大人向き。

ビューレストランは窓に面したフードコート形式だ。自販機で食券を購入しセルフで取りに行く。小さなお子様連れや「本物の新幹線を見ながら食事したい」という場合におすすめだ。2階トレインレストランとの価格差は数百円程度なのでそこまで節約できるわけではなく、値段より「なにを求めるか」で決めるほうがいい。

私が訪れた時間は閑散としていた。食事の間に2回新幹線が通過していった。

東北新幹線には乗車したことがなく、鮮やかなグリーンの車体が新鮮だ。運行間隔は15分に1本程度。東海道新幹線と比べて本数は少ないんだな、と思った。

近いうちに乗ってみたい。

南館に展示の車両

館内はフロアごとに「車両」「科学」「仕事」「未来」「歴史」とテーマが分かれ、全部を見るには1日かかりそうだ。この日は時間もないし、「歴史」のパートをさらっと見て、実物の車両が展示されている「車両」コーナーを見に行くことにした。

「歴史」の展示を見ていたらおもしろく、字数が膨大で1時間があっという間に過ぎた。メカニカルな解説は適当に飛ばしたが、それでも時間がかかってしまった。ここは完全に大人向けの展示だ。漢字が読めて、関心の高いこどもならある程度意味を理解できるだろうが……。ここまで字数の多い解説は予想外だった。

鉄道開業当初から、少し前、昭和の時代ぐらいのものまで。駅の窓口を再現したコーナーがいくつかあった。
基本的に全てレプリカだと思うが、ポスターなども当時の鉄道情勢を伝えるものが掲示されていて、いちいちおもしろく、見入ってしまった。

展示の一部

鉄道の歴史については日本史の授業でほんのさわりぐらいしか知識がないので、勉強になった。

「科学」「仕事」も見たかったが、時間もないし集中力も続かないのでまたの機会に……!

閉館前の30分、駆け足で「車両」のところをささっと見てきた。ここは日中様々な体験プログラムをやっていて混雑しそうだ。子連れの人も鉄道マニアも外国人観光客も、お客が集中するのはここだろう。

毎日3時には「転車台」といって車両を乗せた中央のテーブルを回転させる実演をやっているそうだ。次回は、これをぜひ見たい!

回転台

終わりに

両施設とも「一番見たいところ」だけを集約して見てきた。今度機会があれば、今回見られなかった施設をゆっくり見てみたい。

なにしろ都内に住んでいると交通の便だけはいいので、同じところに2度、3度と足を伸ばすのも苦ではなく、遠足気分を味わえて楽しいものだ。

今後も気のおもむくままに、ときどき「大人の社会科見学」に出かけたい。