ジョヴァンナです。こんにちは!
ある日閲覧注意なツイートが流れてきました。
「伊藤潤二研究」がきた!
— えむ@元V系ドラマー (@mnb_yx) 2017年12月20日
まだ先生のインタビューしか読んでないけど、それだけでお釣りがきそう。 pic.twitter.com/nvTBLKOZGA
おっ、こんなのあるんだ!と喜び勇んでポチっとしました。『nemuki+』編集、伊藤潤二先生画業30周年記念のムックであります。
伊藤潤二研究 ホラーの深淵から (Nemuki+コミックス)
- 作者: Nemuki+編集部
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/12/20
- メディア: 単行本
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幼な心に戦慄した「双一」のビジュアル
私が幼少の頃仲良くしていた同級生の姉が『月刊ハロウィン』を購読していて、その流れで私も伊藤作品と出会いました。伊藤先生が『富江(1987)』で鮮烈なデビューを飾ってから数年後のことです。
『楽しい夏休み(1991)』『案山子(1992)』などはリアルタイムで読んだ記憶があります。9~10歳ではキャラクターの細かな心の機微までは理解できなくとも、青ざめた顔で釘をくわえる双一君のビジュアルと、「ホラーな目にあわせてやる」の決めゼリフが強烈でした。今にも釘が頬をつらぬいて出てきちゃうんじゃないかってハラハラしながらページをめくったものです。
楽しい夏休み(伊藤潤二コレクション 21) (朝日コミックス)より
今読んだら、このシリーズはホラーというよりもシュールギャグですね。子どもの頃に読んだ時と全然印象が違う。双一君の見事な「中2病」っぷりが笑えます。
TVシリーズ、毎週日曜・夜10時より放映開始 p174-
そんな「双一」シリーズを含む、伊藤先生の代表作の数々がアニメ化されたことを知りました。
本日2018年1月7日よりTOKYO MXで夜10時から放映されるそうです。公式の情報がまだ少ない段階ですが、おそらく6つの主要作品を前後編仕立てで2話ずつ放送するんじゃないかな。
公式サイト:TVアニメ伊藤潤二「コレクション」
公式Twitter: @itojunji_anime
時を同じくして、今日からKindleストアでは多数の伊藤作品が1話108円で買えるようになっています。
気になる作品だけを単品で購入するもよし、まとめ読みするなら『傑作集』の方がお得だそうですよ!
全部読み直すなら、傑作集を買ったほうがライブラリを圧迫しなくていいかもしれません。気になるものだけ読むなら1作ずつのほうがよさそうですね。
— えむ@元V系ドラマー (@mnb_yx) 2018年1月5日
Kindle版は、1作ずつで108円、傑作集で756円なので、収録本数によっては傑作集のほうがお得!(傑作集は大体7話以上入っています)
ムックには全作品リストと主要30作品の解説が収録されているので、捗ります。p191-
次はどの作品を読もうかな。
台湾発の企画展『伊藤潤二恐怖美学体験大展』の紹介 p169-
その他の目新しい情報としては、伊藤作品を3Dにして体験・体感できる展覧会が台湾発で、中国の主要都市を巡回しているそうです。
中国人は現実主義で怪奇現象を信じないと聞きますが、幽霊が出てこない物理的な「怪」を描いているところと、緻密な線画の美しさが中華圏での人気の秘密でしょうか。
ぜひ、日本へも来てください。熱烈歓迎!
仕事場公開記事にワックワク! p65-
あとはカラーで5ページほど伊藤先生の仕事場を紹介しているコーナーがあって、おもしろかった。
メインの仕事場は千葉のご自宅で、ロフトベットの下の机に液晶タブレットを置いて制作されている模様です。意外と狭い机でお仕事されていることに驚きました。
もう1か所、時々帰省されるという岐阜県中津川の実家にも仕事場があり、写真が掲載されていました。本棚で異彩を放っているのは……楳図かずお先生の『14歳』愛蔵版ですね。伊藤先生は楳図作品をよくお読みになっているみたいです。確かに、相通じるものがありそう。
私のおすすめ作品
私はマンガ家の解体新書が好きで、つい買ってしまいます。紙の本は増やさないようにしているんだけど、リファレンス本なら許せる。むしろ紙の方が参照しやすくていいよね。
あまりグロや残酷表現は好まないので……(本当かよっ)伊藤作品で好きなのは耽美性とか、ギョッとさせられるような人間心理の恐ろしさなんです。
今のところは『死びとの恋わずらい』『ミミの怪談』あたりが好き。(全作品読んだらまた順位は変わるかもしれません。)
伊藤潤二傑作集(4) 死びとの恋わずらい (朝日コミックス)
- 作者: 伊藤潤二
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/08/01
- メディア: Kindle版
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原作ありのものも、だからこそおもしろいです。『憂国のラスプーチン』なんかは拘置所を舞台としたシリアスなドラマなのに、伊藤先生の手にかかるとものすごくホラーでした。あるいは現在連載中の『人間失格』。これは有名な文学作品ですが、こんなにもホラーな話だったのかと度肝を抜かれました。おもしろかった!
私は伊藤版を読んでから、太宰の小説を読んだのですが、比べてみると「なるほど〜」と思わされました。自分なりに咀嚼できたら考察記事を書いてみたいものです。
この作品はムックで知って購入しました。ムックをきっかけとして、季節外れのホラー熱が再燃しています。この機にいろいろと読んでみたい。
本やマンガのレビューは大の苦手とするところですが、盟友・えむ(@mnb_yx)さんが全作品読み通してのレビューに挑戦するということでしたので、私もがんばってトライしてみました。
『伊藤潤二傑作選』を全て読破したえむさんが選ぶ10作はこちら
ファンの目線で傑作選を熟読した上で1作ずつ選んでおり、入門編としてちょうどいい記事だと思います。ネタバレは多少ありますが、興が削がれない程度に抑えて書かれているので安心して読めました。
初心者は、Kindleで1作ずつ買って読んでみるのがおすすめです。
オカルト趣味についてはこれまでほとんど語ってきませんでしたが、今後はちょいちょい記事にしていきたい。
お好きな方だけ読んでいただけたら、うれしいです。チャオ!