
よしながふみの『きのう何食べた?』を1巻から読み続け、10年前、引っ越しで処分した後にやっぱり読みたくなって全巻買い直した。
最近になって、また1巻から再読し「これが食べたい」というメニューを厳選して作る『何食べ』チャレンジを始めた。
(私も、家族のえむさんもそれぞれ苦手な野菜があり、食べられないものが多いので、全部の献立の再現とまではいかない)
この記事では、1巻〜13巻までに登場した料理を紹介する。
- 1. 1巻8話 鶏肉のオーブン焼き
- 2. 2巻10話 厚揚げとニラとキャベツと豚ひき肉のみそ炒め
- 3. 3巻17話 肉みそあんかけチャーハン
- 4. 4巻26話 鮭と卵とキュウリのお寿司
- 5. 6巻43話 ピーマンの焼きびたし
- 6. 9巻67話 鶏手羽元のにんにく酢醤油煮
- 7. 9巻68話 カボチャサラダ
- 8. 9巻72話 肉団子
- 9. 11巻82話 じゃことごまのいなりずし
- 10. 11巻83話 鶏わさ
- 11. 11巻86話 関西風お好み焼き(豚玉)
- 12. 11巻84話 蒸しナスのじゃこマリネ
- 13. 13巻97話 坦々うどん
- 14. 13巻104話 ゆで豚
- ここまでの感想
1. 1巻8話 鶏肉のオーブン焼き


鶏肉は芯まで火が通っているかどうか心配で、焼きすぎになって肉が縮んでしまった。失敗。
焼肉のタレの風味がぜんぶ飛んで、しょうゆ味だけが残った……。
オーブン調理は加減がわからなくてかえって難しいから、はじめから最後までフライパンで焼いて最終工程でタレをからめるほうがいいね。そのほうが簡単。
2. 2巻10話 厚揚げとニラとキャベツと豚ひき肉のみそ炒め


家族がキャベツ嫌いなのできのこに変更。
この「肉みそ」はシロさんの料理にはたびたび登場するもので、この日は、数日前に作った肉みそが残っていたので流用。簡単だった。
味つけは濃いめ。と言っても、2人分の料理を作るときは味噌は大さじ1にとどめ、ほかのもので調節するのがよいと思う。
3. 3巻17話 肉みそあんかけチャーハン

この場合の「肉みそ」は、チャーハンとのバランスを考えて味を濃くしすぎないほうがいい。チャーハンは人生で3回目ぐらいに作ったけど、おいしくできた。
4. 4巻26話 鮭と卵とキュウリのお寿司

小骨とりが面倒なので鮭フレークを使用。カニカマもあったから、入れたらおいしくできて、主役になった。いろどりもきれいで気分が上がる。
カニカマがないとさびしいので、やっぱり入れたほうがいい。シロさんはこのときは筑前煮を副菜にしていたけど、うちはそんなに手のこんだものは作らないので。献立上のバランスもある。
5. 6巻43話 ピーマンの焼きびたし


シロさんが弁当のおかずに入れていたピーマンの焼きびたし。なんと、トースターで焼いて汁に漬け込むだけ。火を使わずにできる。(夏に重要!)
ピーマンの苦味が消えておいしかった。
6. 9巻67話 鶏手羽元のにんにく酢醤油煮


少ない調味料で煮からめる工程がわからず、「なんか色が薄いな」と戸惑っていたところ、Twitterのお友だち(松村さん)に「グツグツとタレを煮詰めて外側にコーティングする感じ」と教えてもらい、救われた。松村さんありがとう!
調味料もちょっと足した。
7. 9巻68話 カボチャサラダ

市販のカボチャサラダはアーモンドが入ってるのが多いけど、これはアーモンド使わずにできる。ハムはあったら入れればいい。ゆで卵を入れすぎるとバランスが崩れるから1ケでいい。
別になんにも入れなくてもカボチャの甘みだけでおいしいし、栄養もあるし、こういうのは、なんでも自分が好きなものを適当に入れればいいわね、と気がラクになった。
8. 9巻72話 肉団子


シロさんが高校生の頃、実家のおかあさんがよく弁当に入れてくれたという、ミートボール。途中で「揚げる」工程があることに気づかず、軽い気持ちで作り始めて後悔したけど、おいしかった。めんつゆとケチャップと水をまぜるだけでソースができる簡単さに感動した!(うちはしょうゆ大好きだから、しょうゆも1さじ入れた)
おかあさんが作ってくれた「思い出の味」っていいよね。フィクションだけどね!
9. 11巻82話 じゃことごまのいなりずし

これは花見弁当のおかずだったと思う。
自分ではおいしくできたと思い、作った端からバクバク食べてしまったけど、えむさんが言うには「メシが硬い」
失敗のようだ……。でも好きだから、また作るよ!
10. 11巻83話 鶏わさ

弁護士事務所の事務員・志乃さんが作る、ダイエットメニュー。
さっぱりして夏にぴったりだ。
片栗粉のつるんとした食感がいい。私は好きだけど、味が淡白すぎるので中華料理の残り物なんかがある日に組み合わせるとちょうどいいね。
この日はえむさんの好物・春雨炒めとともに。
11. 11巻86話 関西風お好み焼き(豚玉)

私が『何食べ』の中でもっとも頻繁に作っている定番メニュー。
初めて読んだ日から、お好み焼きはこの作り方で作る。(配合は「お好み焼き粉」の裏面を見て適当に)
ケンジの勤務先の美容院の同僚・タグチくんのレシピ。タグチくんのおかげで、豚がカリカリのお好み焼きが毎回食べられるようになってQOLが上がった。大体、月1で作る。
12. 11巻84話 蒸しナスのじゃこマリネ

しらす・またはちりめんじゃこを炒めてから調味する工程があるが、最終的にはドレッシングであえることによってしんなりするので、別に炒めなくてもいい。
ツナで作ってもおいしかったし、食材がなければナスだけでいい。
13. 13巻97話 坦々うどん

冷凍庫にうどんがあったからうどんを入れた。おいしいんだけど……やっぱり担々麺は、中華麺のほうが好きだ。
小エビを切らして入れられなかったので、次作るときは入れたい。
14. 13巻104話 ゆで豚

ブロック肉を買って茹でたら、水分が抜けて縮むので、すごーく小さくなって悲しかった。
味が凝縮されておいしいとは思う。脂が抜けてさっぱりするので少ない量ではもの足りず、2人×1回で全部食べてしまった。なにしろ、鶏わさと違って豚ブロックは高いから、こういうふうに使うのはもったいない。コスパ悪すぎ。
この後、14巻109話、お正月に豚の角煮を作って「豚バラかたまり肉って値段は高くないのにご馳走感あっていいよね」とか話しているんだけど、今や豚バラブロックは高くて買えなくなり、わが家では角煮を作るのをやめた。悲しいね。
ここまでの感想
2025年8〜9月、新たに12品作り、失敗したのもあるけれど、大体うまくできておいしかった。料理のレパートリーが増えた。
14巻から先も、この後作るつもりだ。
5巻39話、実家に帰ったシロさんが台所でおかあさんと肩を並べて料理するシーンがある。
切干大根の煮物を作るとき、シロさんが、
「あれっ? 甘み入れないの? みりんとか砂糖とか」
「入れないわよ 切り干し大根の甘みだけよ うちの味付けは」
「照りが出るまで完全に煮汁を飛ばすと不思議とほんのり甘くなるの 最後に味がぐっと濃くなるからしょうゆはかなり少なめで」「それに今日はソース味のトンカツと一緒に食べるんだから甘ったるい煮物じゃない方がいいでしょう」
このとき、シロさんが「俺の献立の立て方のルーツはここにあったんだ……」とモノローグで言っていて、なるほどね〜と思った。そしてそれが読者にも伝えられているわけだ。料理って、文化だからね。
私もシロさんを見習って、おかずの中に「あまからすっぱい」の味が重ならないように、できれば冷菜と温菜、両方を並べるように。温菜がなにもないときはインスタントのスープをつけるとか、そのぐらいは、いつも意識している。
『何食べ』では現実と同じように時間が流れていて季節の移り変わりがあるため、真冬の献立はパスした。冬になったら、そのへんも見直して作ってみたい。
ちなみに、20巻特装版の付録『食材別登場全メニュー逆引きBOOK』に「巻数別メニューリスト」がある。これをコピーして書き込み式にして便利に使っている。


『何食べ』読者でなく、本が手元にない人でも、メニュー名で検索すれば大抵だれかしら作っている。もしくは似たようなネットレシピが見つかるはずなので、もし気になるメニューがあれば作って感想を聞かせていただけると、うれしい。

