新しいオーブントースターを買ってスチールラックに収納したら、パートナーが「トースターはいいけど、この棚が合わないね」と言い出した。
そこで思いついた。自分でアイアン風にペイントすることを……。
検索すると《ミッチャクロン》のスプレーと黒いペンキを利用している人が多かった。その方法だと、どうやら、ローコストでできるらしい。
私の場合は家の中だけで作業を完結したいので、水性ペイントにこだわって探した。つまり、
- 屋外で広い作業スペースが取れる人:ミッチャクロン・油性ペイントもOK!
- 室内で作業したい人:水性ペイントを使用し、窓を開けて換気すればOK!
と考えた。
[目次]
ターナーの《アイアンペイント》を使ってみた
ターナーの水性塗料は使いやすく、初心者にも向いている。
アイアンペイント 塗るだけで金属のような質感 | ターナー色彩株式会社
《アイアンペイント》はカラーバリエーションが多く、2色を混ぜて使うとおもしろい風合いが出る。私が使用した感想としては、ムラのある塗り方をすると錆っぽい感じになるので清潔感を求める場所には向かない。
- 清潔感ある仕上げ:単色で使用するか、色をブレンドして使う場合は、よく混ぜて色を作るのがおすすめ。
- ヴィンテージ風の仕上げ:例えば、同系色をわざとムラになるように使って、複雑な色合いを演出する。またはブラウンやブロンズを部分的に使い、錆びた感じの風合いを楽しむ。ベースカラーの上に、ポイントでメタリック色(ゴールド、シルバー、ブロンズ)を少量載せ、光沢をプラスする。
以上がおすすめの使い方だ。
公式サイトにはごく限られた作品例しかなく、個人のDIYブログやYouTubeを見た方がバリエーション豊かででおすすめだ。
スチールラックを塗るのに必要とするペンキの量
大きめのスチールラック(幅76cm・奥行46cm・高さ120cm・ポール直径25mm)に対して、2度塗りで、およそ300mlを使用した。
アイアンペイント専用のマルチプライマーは、水っぽく、さらさらしているので200mlボトルの3分の1ほどの量で足りた。(下塗りは1回のみ)
塗料は少量の水を混ぜて伸ばすこともできる。ただし、水を入れすぎると粘性が低くなり、アイアン風の質感が出しにくくなるので注意が必要だ。
私は今回、ブラックとブラウンを混ぜることによってダークブラウンを作ったが、コストを抑えたければ、アクリル絵具などを混ぜて色を作るのも良いと思う。
使用したスポンジ・刷毛
今回、広い面には100円ショップで購入した食器用スポンジを使用した。
100円ショップではスポンジローラーや刷毛の取り扱いが豊富にあり、コストを抑えたいとか、使い捨てにしたい場合に便利だ。100円ショップで買った刷毛でも、使用前に手入れし、抜け毛をよく落としてから使用すれば、そんなに毛が残るようなこともないだろう。(ただし、下処理をせずに使用すると酷い目にあう。)
私は今後もDIYすることを考え、楽天で、2種類の刷毛を購入した。
広い面はスポンジで、細かい部分は30mmと10mmの刷毛を使い分けることにした。
基本的に油性のペンキなら油性用の刷毛、水性のペンキには水性用とラインナップが分かれており、その中から塗装する面に合わせたサイズ・形状のものを用意すると良い。
掃除・下準備
まずスチールラックを水拭きして、油分や汚れを取り、スポンジやすり(240番)を使って錆を落とした。アイリスオーヤマの《メタルラック》は細かいパーツが多く、思ったより掃除に時間がかかった。
今回初めてスポンジやすりを購入して使用したら、曲面にフィットして使いやすく作業時間が短縮できた。
本来は分解して、隅々まで塗装した方が良いのだが、うちのスチールラックは古いので部品が固着しており分解はあきらめた。
下塗り
下塗りには30mmの刷毛を使用し、マルチプライマーを均一に薄く伸ばしていった。
細かい部分は10mmmの刷毛で行った。10mmでも毛先が広がると太くなるので、100円ショップの絵筆などで代用してもよいと思う。
下塗りは細かい作業が多く、時間がかかった。屋外でスプレー式のプライマーを使用すれば、作業時間は大幅に短縮できるだろう。
アイアンペイントのマルチプライマーはニスのようなツンとする匂いがあるので、作業後は窓を開けて換気し、扇風機をあてて十分乾かすようにした。(メーカーは2時間乾かすよう推奨している。)
ペイント作業
1度塗り
使い捨てのグローブを嵌め、スポンジを使って全体をブラックで塗っていった。手はお湯でゴシゴシやればきれいになるが、爪の間にペンキが入り込んで固まると落とすのが大変なので、使い捨てのグローブをすると手間が省ける。
トレイは使い捨ての紙皿を使用した。
外側の面を塗り終えたら、棚板の部分を大まかに塗っていった。
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乾いた外側の部分を持って、上下をひっくり返す。今度はスポンジで下面を塗る。
下面は普段は見えないので、少しぐらい塗り残しがあっても気にしなかった。
2度塗り
大体乾いたら、2度塗りを始める。
紙皿にブラウンを出して、2色を混ぜ、ムラを残して複雑な色合いを出す方法を試してみる。ブラックの地にブラウンがのると、全体的に錆が出たみたいになってしまった。
↓
途中で方針を変え、プランBに切り替えた。
ブラウンに少量のブラックを混ぜてダークブラウンを作り出す。塗料の配分を考えたとき、1度目をブラックで塗って、2度塗目にダークブラウンを重ねるのはいい作戦だったと思う。(ダークブラウンを作るときは、ブラウンの方が多く必要となるため。)
また、毎回色を作るたびに少しずつ色合いが異なってしまうことを考慮に入れ、ダークブラウンを重ねる際も全体に均一な色の仕上がりをめざすのではなく、多少ムラ感を残すように仕上げた。
塗り方としては、スポンジでペタペタとスタンプを重ねていく感じだ。こうすることによってボコボコしたアイアン風の質感が表現できる。
スポンジの工程が終わったら、外側の乾いた面をつかんで、再度上下をひっくり返した。
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スポンジで上面の2度塗りを行う。
終わったら、ここで初めて10mmの刷毛に持ち替え、細かい部分を埋めていった。
↓
完成後、しばらく乾燥させてから元の位置に運んだ。
アイアンペイントは厚塗りするので、硬いものが当たったりすると剥げやすい。よく乾燥してから設置した方がよい。
感想
本来、キッチンに置くものにアイアン風はミスマッチだったかもしれないが、やってみたい気持ちが抑えられず、トライしたら、すっごくおもしろかった!!
機会があったら、グリーンやゴールドのペイントも試してみたい。
《アイアンペイント》はカフェなどお店のインテリアや、ガーデニングに使う雑貨などを塗装するのに向いていると思う。
アイアンペイント 塗るだけで金属のような質感 | ターナー色彩株式会社
200mlのボトルを1,000〜1,500円で販売している店が多い。大勢が使う人気色のブラックやブラウンは安く、その他の色は少し高めに設定されているようだ。
楽天市場の専門ショップ『大橋塗料』では、どの色も同一価格で安く販売しており、一度に複数の色が欲しいとか、刷毛も合わせて細かく選びたいというときにおすすめだ。商品説明が詳しいので、初心者でも買い物がしやすい。(小口の送料は650円かかる。)
- 価格: 924 円
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専用のマルチプライマーだけは、大橋塗料で取り扱いがないのでAmazonで調達した。
使用した道具・参考価格
- 捨ててもいい服
- 使い捨てのグローブ
- 下に敷くビニールシート(100円ショップ)
- 紙皿(100円ショップ)
・・・
- 食器用スポンジ(2ケ使用)110円
- 30mm刷毛 319円
- 10mm刷毛 151円
- マルチプライマー200mm 778円
- アイアンペイント200mm 2色使用 924円×2
- スポンジやすり240番 231円
- 合計3,437円+送料