なにか新しいこと日記

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私小説

絶交の話

事実をもとにしていますが人物の名前や出来事の細部はフィクションです。 友人ののぞみさんから思いがけない話を聞いた。10数年前、資格予備校に通っていた頃の同級生でいまだに交流が続いている数少ない友人のうちの1人だ。 「ゆうちゃん、ちえちゃんとは卒…

接客業は向いてないかもと思いつつ、7年が過ぎた

今の仕事を始めて、7年が経った。接客ありの仕事は私に向いてないんじゃないかと心配していたが、失敗しながら一つ一つ学んでいる。 以前の職場に年上の後輩(40代後半、仮に西内さんとする)が入社したとき、彼女が未経験のわりに自信満々で、すっとお客様…

ぼーっとした大学生が就活に悩んで、全く関係ないアルバイトを始めた話

これは私小説である。《第11話》 ひと昔前、私は怠惰な大学生だった。それなりに仲のいい友だちもいたし授業は概ねまじめに受講したが、それ以外の時間、恐ろしく無気力だった。長期休みのたびに自室にこもって寝てばかりいた。そういうときは風呂に入るのも…

愛してくれない人に愛を求めることの不毛さ

10年もある男性に片思いしていた顛末を何回かに分けてブログに書いた。我ながらアホだなーと思うのだが、実はもっと長く片思いしていた経験がある。 そうね、ざっと20年ほど……。 実家の母のことである。 子どもは親に100パーセントの愛情を求めるものだ。だ…

伯母の葬式

伯母が急逝した。62歳だった。 父の兄嫁で、性格はおおらか。いつもニコニコ明るい人だった。よく太っていた。 しばらく疎遠にしている間に持病が悪化してうつになっており、ホルモン剤とうつの薬を両方飲んでいたらしい。死ぬような病気ではなかったのだが……

川越で、雨天と晴天の分かれ目を見た話

川越の氷川神社では、毎年七夕の時期から2か月間「縁むすび風鈴」というイベントをやっている。彼と付き合い始めた夏、職場の後輩に薦められて2人で訪れた。 川越までは池袋から40分。小江戸と呼ばれ古い町並みが残る。恋人と観光するにはフォトジェニックで…

制服のころ

私の親が買った家は丘の上にあって、春は大風が吹きすさぶ。 少女時代は父の仕事の都合で転校を繰り返し、私が中学2年に上がる年にやっと帰ってくることができた。たった15か月しか住んでいないマイホーム。購入してから7年が過ぎていた。 中学まで4kmの道の…

空き巣に入られたビンボーOLの話

一度だけ、空き巣に入られたことがある。 当時実家から長距離通勤をして、定期代として半年で約20万円を現金支給されていた。JRの分はクレジットカードで引き落としがかかるためゆうちょ銀行へ、バスと地下鉄の分7万円は封筒に入れたまま自宅へ持ち帰った。 …

モラハラ上司と人たらし上司

「きみは、損をしてるよ」 残業中に上司から声をかけられて、ハッとした。 私は覚えは悪いが仕事を一から理解しようと努め、黙々と働く人間だ。同期のミキちゃんと比べたら評価されにくく不憫に思われたらしい。そんなふうに見られていたとはつゆ知らず、ビ…

悲しみの100パーセント

今日は悲しい話をするので、そんなもの読みたくないって人はどうか回れ右してください。 私が26の時、弟が事故で脳の一部を失うことになった。 私はその頃OLをしていて夕方何気なくケータイを見たらその重大な知らせが届いていたのだった。「Kが◯◯で事故に遭…

プレゼントにまつわる2つのお話

私は、人の厚意を受け取るのが下手だ。 特に、お祝い事なんかがあった時に「何が欲しい?」と訊かれるのが苦手である。そういうときは、丁重にお礼を申し上げて辞退することにしている。 過去に最も心苦しかったのは20歳の頃。 名古屋のばあさまが「成人のお…

私がコミュ障だった頃

この物語は、実際にあった出来事を元にしたフィクションです。作中に反社会的な描写があったとしても、実在の人物や組織とは関係ないことをご了承願います。 「コミュ障」という言葉がある 一般的には内気で人見知り、社交が苦手で、特に人から注目を受けた…

その夜天使が舞い降りた

この話は実際にあった出来事を元にしたフィクションです。 花のような人 20代を半ばにして、かねて志望していた資格を取得するべく私は資格学校に入学しました。学校にはロッカールームがあって、ロッカーが近い上級生とは自然と顔見知りになります。ある授…

世界で一番めんどくさくて愛すべき女性の話

ジョヴァンナです。こんにちは。 今日から私小説を書いていきます。基本的には実際にあった出来事を書いていますが、プライバシーなど問題がありそうな部分は一部改変するところもあるかもしれません。 Illustrated by DAC タイトルに「めんどくさい話」と書…

台湾で占いに行ったら10年の片想いが終わった話

数年前。私が専門職に転身してある個人企業に就職したばかりの頃、社用で台湾出張に行くことになりました。30~40代の女ばかり3人の旅です。 登場人物 吉田先輩(仮名):42歳。英語、日本語、中国語が流暢に話せるスーパーキャリアウーマン。台湾で働いた経…

傷ついた心をアートに変えよう。

Embed from Getty Images 傷ついた心をもって、アートに変えていこう。 ”Take your broken heart, make it into art.” 2017年1月8日 ゴールデングローブ賞のスピーチで女優メリル・ストリープが引用した故キャリー・フィッシャーの言葉 前回『親から自尊心を…

親から自尊心を打ち砕かれた子どもの話

「娘がマンガ家になりたいと言うので応援しています」というお母さんのブログを読んで、思わず反応してしまいました。 大人から《無条件の愛》をタップリ受けている子どもを見ると、いいな〜、いい親御さんだなって心が温かくなる。と同時に、うらやましくて…